*

薬剤:抗原(アレルゲン)の特徴や対策

公開日: : 最終更新日:2015/10/24 抗原


薬剤へのアレルギー反応は、体が薬剤を異物だと認識することで生じます。
これはアレルギー体質の人に限らず、誰にでも起こる可能性がある症状だと言われています。

アレルギー反応が起こりやすい薬剤はいくつかあるので、注意しておくといいでしょう。

アレルギーを起こしやすい薬剤

アレルギー反応が起こりやすい薬剤としてはキノロン系やペニシリン系、セフェム系、アミノグリコシド系、マクロライド系などの抗生物質が挙げられます。
ほかにも局所麻酔薬、ヨウ素系薬剤などによってアレルギー症状が起こる場合もあります。
薬剤によるアレルギーはわずかな量でも起こることがあります。

加えて、飲み薬だけにとどまらず、点鼻薬や塗り薬などによって症状が起こるケースもあります。
どの程度アレルギー症状があらわれるかは人によって異なり、軽症で済むことから命に関わるような状態にまで悪化することもあります。
注射や服用のすぐあとに症状があらわれることもありますが、数日後にあらわれることもあるので薬を飲んだあとはしばらく気をつけておく必要があります。

また、アレルギー反応は体調の影響を色濃く受けるとも言われているので、体調の変化にも常に注意を向けておくことが大切です。
人によっては漢方薬やビタミン剤などでもアレルギー症状が起きることがあるので、十分に注意しましょう。

ペニシリンショックとは

薬剤によるアレルギー反応はさまざまなものがありますが、もっとも重篤だと言われているのがペニシリンショック型と呼ばれるものです。
これはペニシリン注射後などにあらわれるもので、呼吸困難や意識喪失、失禁、脈の乱れ、血圧低下、嘔吐、悪心、しびれ感、くしゃみ、口内異常感、喘息発作など重篤な状態となって、適切な処置ができないと死に至ることもあります。

これはペニシリンに対するアナフィラキシーショックで、即時型アレルギーとしてよく知られています。
抗原となるのはペニシリン製剤に含まれるペニシリン重合体、ペニシリン製剤中の不純高分子、ペニシリン代謝物と生体タンパクとの結合物などです。

なかでもタンパクと結合したベンジルペニシロイル(BPO)が注目されています。
こういった抗原がIgE抗体に結合したことをきっかけとして、ヒスタミンなどの化学伝達物質が出されます。
それによってさまざまな症状があらわれます。

薬疹とは

薬剤によるアレルギーはさまざまな症状がありますが、多くの人にあらわれると言われているのが薬疹という症状です。
薬疹というのは薬の内服、あるいは注射をきっかけとして起こる発疹全般のことを言います。
数ある薬疹のなかでもアレルギー性のものは重要視され、一般的に薬疹というと薬によるアレルギー性薬疹のことを指します。

一般的に薬によって抗体ができるのは1~2週間経過後と言われ、そのタイミングで起こることがほとんどです。
内服経験がない薬でアレルギー性の薬疹ができることは通常はありません。
もしもあったとしても、それは以前に似た構造の別の薬に感作されたと考えたほうが自然です。

薬疹のなかでも特に重篤なものだとされているのが、スチーブンス・ジョンソン症候群や中毒性表皮壊死症などです。
さらにウイルスが関係する薬剤性過敏症症候群の存在が近年解明され、重要視されています。
こういった重症の薬疹は原因となる薬剤の服用をやめただけでは改善せず、時間の経過とともに悪化していく傾向にあります。

そのため、すみやかな対処が必要となります。
薬をのんで発疹が生じると薬疹と思いがちですが、実はそうとも限りません。
ほとんどの薬は体調を崩しているとき、特にウイルスに感染された人が内服します。

そのため、発疹が薬によるものなのか、それともウイルスによるものなのかは簡単には判断できません。
仮にウイルス感染によって発疹が生じた場合、たとえばはしかのようにはじめに高熱が出てそのあと発疹が生じる場合はウイルス感染を疑わないと薬疹と誤診されてしまう恐れがあります。
原因が薬疹だと特定するには、薬の内服を開始して発疹が生じるまでの経過が必ずあるということを頭に入れておく必要があります。

なんらかの薬の服用を開始して、1~2週間ほどで発疹が見られる場合はアレルギー性の薬疹の可能性が濃厚です。
さらに、薬の服用をやめて発疹が改善されるケースでは、特に薬疹の可能性が高まるでしょう。

しかし、ウイルス感染によって生じた発疹も徐々に改善に向かうことが多いことから、これだけでは薬疹の診断にはいたりません。
血液検査によって白血球のなかの好酸球が増加している場合は薬疹の可能性が高いですが、実際に診断を確定するにはさまざまな検査を受ける必要があります。

薬剤アレルギーの診断

薬剤アレルギーの診断はむずかしく、血液検査などを実施しても原因の特定ができないことがあります。
特定するためにはさまざまな検査が行われますが、そのひとつが誘発試験です。

誘発試験は原因と推定できる薬物をわずかに生理的食塩水にとかして、目の結膜に少し垂らしてみる、あるいは鼻の粘膜に液を付着させて粘膜の状態を観察するというものです。
口の粘膜に少し付着させて、粘膜がどう変化するかを観察する場合もあります。

内服テストを実施することもありますが、これは強い反応が起きるというリスクがあります。
そのため、専門医としっかり相談したうえで行うかどうか検討する必要があります。

患者の血液と懸念される薬剤を反応させる、リンパ球刺激試験という簡単な検査もありますが、精度はほかの検査と比べると低いと言われています。
いずれにしても、薬物アレルギーの疑いがある場合は、服用中の薬をいったん飲むのをやめて状態を確認するとともに、必要な検査を受けることが望ましいでしょう。
薬を飲んでいてなんらかの異変を感じたら、すぐにかかりつけの医師に相談することが症状を悪化させないために大切です。

スポンサーリンク

関連記事

no image

動物:抗原(アレルゲン)の特徴や対策

動物はさまざまなアレルゲンをもつと言われていますが、体成分や排泄物などもそれに含まれます。 動物が

記事を読む

木材や植物:抗原(アレルゲン)の特徴や対策

アレルギーにはさまざまなものがあり、身近なものにアレルギー反応が起こることも珍しくありません。

記事を読む

昆虫:抗原(アレルゲン)の特徴や対策

昆虫に刺される、あるいは昆虫の一部を吸い込むことでアレルギー反応が起こることがあり、これを昆虫ア

記事を読む

ハウスダスト・ダニ:抗原(アレルゲン)の特徴や対策

アレルギーの原因となる物質のことをアレルゲンといいますが、アレルゲンにはさまざまなものがあること

記事を読む

蜂:抗原(アレルゲン)の特徴や対策

蜂などに刺されて、アレルギー症状があらわれることがあります。 ときには深刻な症状があらわれるこ

記事を読む

真菌(カビ):抗原(アレルゲン)の特徴や対策

アレルゲンにはさまざまなものがありますが、真菌もそのひとつです。 真菌とはカビの一種で、特に真

記事を読む

食べ物:抗原(アレルゲン)の特徴や対策

特定の食べ物を食すとなんらかのアレルギーが起こることがあり、それを食物アレルギー、原因となる食べ

記事を読む

no image

花粉:抗原(アレルゲン)の特徴や対策

スギ花粉などが原因の花粉症を発症する人は増加傾向にあると言われ、社会的な問題のひとつとなっています。

記事を読む

グッドパスチャー症候群を詳細に:原因,症状,検査,治療など

グッドパスチャー症候群(ぐっどぱすちゃーしょうこうぐ

B細胞と抗体による体液性免疫

免疫には抗体が関係する体液性免疫、そして抗体が関係しない

免疫グロブリン製剤の働き・取り方・副作用・代表的な製剤などについて

人間の体は血漿成分によってさまざまな脅威から保護されてお

リンパ組織とは

生体防御のなかで重要な役割を果たすものをリンパ球といい、

自然免疫と適応免疫

免疫にはいくつか種類があり、自然免疫と適応免疫も免疫のひ

→もっと見る

PAGE TOP ↑