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動物:抗原(アレルゲン)の特徴や対策

公開日: : 最終更新日:2015/10/30 抗原

動物はさまざまなアレルゲンをもつと言われていますが、体成分や排泄物などもそれに含まれます。
動物がもつアレルゲンにはどういったものがあり、どう対処していくべきなのでしょうか。

動物がもつアレルゲン

住宅環境の変化にともない、家のなかでさまざまなペットを飼うという人は昔と比べて多くなってきました。
それによって、アレルギーを発症する人も増えてきたと言われています。
小鳥やハムスター、犬、猫などの毛やフケはアレルゲンとしてよく知られていますが、排泄物や唾液などもアレルギーの原因になり得ます。

なかでも猫へのアレルギーは出やすく、猫に少し接触しただけでも目にかゆみをともなう、鼻水やくしゃみがでる、結膜が赤く変化するといった人は少なくありません。
また、喘息や蕁麻疹といった症状があらわれることもあります。

最近はハムスターをペットとして飼う人が多く、噛まれたことでアナフィラキシーショックを起こすこともあるようです。
犬や猫の唾液もアレルギーの原因になりえますが、犬や猫に直接肌をなめさせるといったことがない限り、フケや毛によって起こるアレルギーのリスクよりは少ないとされています。

尿もアレルゲンのひとつですが、直接的に触れるということはあまりないでしょう。
そのため、必要以上に警戒することはないですが、猫の発情期に起こるマーキング行為などには注意を払うべきです。

動物によるアレルギーはペット以外にも、野生動物や家畜動物などで起こることも多く、たくさんの動物の1種類、あるいは複数の種類がアレルギーの原因となることもあります。
動物によるアレルギーは普段は自覚することが少ないですが、動物への接触や体成分の付着などによって症状があらわれます。

猫の主なアレルゲンとは?

アレルギーが出やすいと言われる猫の主なアレルゲンは、「Fel d 1:( Felis domesticus allergen 1)」と呼ばれるアレルギー反応誘発物質です。
この物質はすべての猫に含まれ、肛門嚢や尿、涙腺、唾液、皮膚の皮脂腺などで生成されます。

Fel d 1は毛の有無に関係なくすべての猫に含まれるため、毛を刈った猫やスフィンクスという無毛タイプの猫であってもアレルギーが出ることはあります。
唾液腺でつくられたFel d 1は猫が毛繕いすることで毛の表面にコーティングされます。

猫はものに体をすりよせる習性があるため、体に付着したFel d 1はあらゆる場所に拡散していきます。
そのため、Fel d 1に対してアレルギーを保持している人は、猫と接触せずに同じ部屋にいるだけでもアレルギー反応があらわれると言われています。

実は毛よりも動物の垢やフケのほうが問題だとされています

小児喘息の原因として昆虫類やカビ類、花粉、室内のダニ、カビ類などがありますが、そのひとつが犬や猫のペットだと言われています。
一般的に犬や猫によって起こるアレルギーの原因はペットの毛だと言われていますが、実は毛よりも動物の垢やフケのほうが問題だとされています。

乾燥して剥がれ落ちた皮膚、つまりフケはとても軽いため、空気中に舞い上がりやすく床だけでなく、設置してある家具などにも付着・拡散していきます。
アレルギー反応はごくわずかなアレルゲンでも起きうるため、少量が空中を漂っているだけでもアレルギー反応が起こることがあります。

ペットと数週間過ごしただけでもアレルゲンとなるフケは長期的に確認され、アレルギー反応に要する量のフケは常に空気中に漂っていると考えられます。
特に猫がもつアレルゲンは猫を飼っていない家でも空気中に確認されるというデータもあり、たとえ猫を飼っていなくても猫アレルギーが発症する可能性はあると言えます。

フケは非常に小型で軽いので、職場や外出先で洋服にくっついてしまうことは多々あり、自宅にそのまま持ち込まれることは珍しいことではないのです。
動物のフケは特に職場や学校の教室など大勢の人が集まる場所に見られ、アレルギー反応を生じさせるほどの量は常にあると思っておいたほうがいいかもしれません。

ペットのフケ対策

フケは皮膚の新陳代謝によって剥がれ落ちる古い皮膚なので、生きている限り出続けます。
もちろん、人間だけでなく犬や猫などのペットもフケはでますが、犬や猫は全身が毛でおおわれているため体中にフケが生じやすいと言われています。
フケそのものは生理的なものなので、防ぐことはむずかしいですし、ペットが健康な証とも言えます。

しかし、あまりにもフケの量が多いようなら、なんらかのトラブルが生じている恐れがあります。
前述したようにフケは古くなった皮膚が剥がれ落ちたものですが、フケは乾燥によって生じるものがほとんどで、肌が乾燥するとよりフケが落ちやすくなります。

また、人間でもそうですが、乾燥状態の肌はかゆみが生じることが多く、犬や猫はかゆみを沈めようと肌を掻きむしります。
犬や猫は人間のようにかく力を調整できないため、強く掻きむしりすぎて皮膚にダメージを与えてしまうことも珍しくありません。
ペットが肌を頻繁に掻きむしっている場合は、肌になんらかのトラブルが生じていることもあるので、様子をみたほうがいいでしょう。

また、長毛の犬などは水浴びやシャンプーを頻繁にすることが多いですが、毛が濡れた状態で長時間放置するとカビが繁殖することがあります。
カビがたくさん生じると古くなった皮膚を食べて、こまかくしてしまうため、皮膚を保護しようと新たな皮膚がつくられやすい状態となります。つまり、皮膚の再生のサイクルが通常と比べて早まってしまい、新陳代謝が活発になりやすくなってしまうのです。

そのため、古くなった皮膚とカビの作用でこまかくされた老廃物がフケとなって落ちます。
また、フケがたくさんできると、そのフケを餌とするノミやダニなどの繁殖が活発となります。
大量に繁殖したノミやダニは老廃物を生じさせ、それが原因でアレルギー症状が起こる場合もあります。

こまめなブラッシング

ペットのフケ対策として有効なのがこまめなブラッシングです。
犬や猫をこまめにブラッシングすることで、フケなどのアレルゲンを取り除けるため、家のなかでアレルゲンが拡散しにくくなります。
ブラッシングは刺激を与えすぎてもよくないので、毛が細くやわらかいものをつかってマッサージするような力加減で行うのがポイントです。
力が強いと肌にダメージが与えられ、かえって炎症状態となり、フケがでやすくなることがあるので要注意です。

定期的なシャンプー

定期的なシャンプーも効果が期待できる方法です。
ていねいに洗えばフケをはじめとしたいろいろなアレルゲンを一掃できるので、適度なシャンプーは必要なケアです。
ペット用のシャンプーはいろいろなものがありますが、成分が合わない場合もあるので、獣医と相談しつつ適切なものをつかうことが大切です。
フケが多く発生しているペットは皮膚が乾燥状態となっている可能性があるので、よりシャンプー選びは慎重になる必要があります。
前述した通り、体が濡れた状態がつづくとカビが発生しやすいので、シャンプーをしたらできるだけ早く乾かすようにしましょう。

ストレスを感じてませんか

ペットも人間と同じように、ストレスを感じることがあります。
飼い主の間違った対応や環境の変化などでストレスが溜まることはあり、その影響で体に異変が生じフケが出やすくなることがあります。
一緒に遊んでストレスを解消するなど、ペットがストレスをため込まないための工夫も必要だと言えるでしょう。
なにをしてもフケがいっこうに減らないという場合はなんらかの病気が潜んでいる可能性もあるので、獣医に診てもらうことをおすすめします。

アレルギーの症状

アレルギー症状としては、咳や皮膚の発赤、くしゃみ、鼻水、鼻のムズムズ、目の充血、かゆみ、喘鳴などがあります。
どういった症状があらわれるか、その程度は人によって異なります。
もともと喘息を抱えている人などは症状が悪化しやすいので、注意が必要です。

症状が悪化すると、心拍数の増加、吐き気、嘔吐、めまい、呼吸困難、嚥下困難、下痢といった症状があらわれることがあります。
猫によるアレルギーの場合は、皮膚のかゆみや発赤、喘鳴、咳、鼻水、くしゃみ、鼻づまり、目の充血、涙目、目の腫れ、唇の荒れ、喘息に近い咳き込み、花粉症に近い症状が見られます。

動物によるアレルギーを防ぐには

今後ペットを飼いたいと考えている人は、あらかじめ動物アレルギーがあるかどうか調べておくといいでしょう。
いざ飼ったときにアレルギーが見つかると対策が大変なので、最初に検査しておくことが大切です。

アレルギーの有無は、医療機関で血液検査で調べることが可能です。
検査項目としては一般的なアレルギー抗体のそれぞれの数値、アトピー鑑別試験、今後飼いたいと思っている動物に対するアレルギー反応などが挙げられます。
検査をしてみて数値が高いようなら、飼うことを再検討したほうがいいでしょう。

カブトムシなどの昆虫、熱帯魚やカニなどの水中生物、トカゲや亀などの爬虫類はアレルギー反応が起きにくいとされているので、そういった生物をペットとして選ぶというのも有効です。
ペットとして動物を飼う人だけでなく、動物と関わる仕事に就きたいと考えている人も、アレルギー検査を受けておくと安心です。

現在なんらかの症状があらわれていなくても、もともと保持しているアレルギー体質の影響で急に検査値が高まったり、急に症状があらわれる可能性がゼロとは言えません。
猫や犬のアレルゲンが陽性で、さらに食物アレルギーを保持するケースでは、食生活や生活環境を整えても症状が悪化する傾向にあります。

自宅で動物を飼育していなくてもよくいく場所に動物がいると、症状があらわれやすくなるので注意が必要です。
その場合は入院するなどすると症状が改善することがほとんどですが、元の環境に戻る、あるいは動物と接触がある人と会うことで症状がぶり返すということもあるようです。

そういった明らかに動物への強いアレルギーがある人は、動物との接触をできる限り絶つ必要があるかもしれません。
動物アレルゲンを取り入れつづけることで、カビやダニ、食物といったほかのアレルゲンの数値が高くなってしまうことがあるので十分に気をつけるようにしましょう。

ペットと暮らす場合の注意

ペットの体成分や毛はアレルゲンとなるので、こまめな掃除は必須です。
掃除機だけでは十分に除去できないこともあるので、拭き掃除も行うようにしましょう。
特に春や秋は毛が落ちやすくアレルゲンが拡散しやすいので、徹底的な掃除をおすすめします。

猫や犬のアレルゲンはそれを食したダニなどを増殖させることにもなるため、それを防ぐためにも掃除は大切です。
尿や糞などの排泄物が同じ空間にあるだけでもアレルギー反応が起きることもあるので、こまめに処理することも重要な対策です。

換気をしっかりする、空気清浄器を設置することもアレルギーの予防や改善に効果的です。
犬の場合は定期的にシャンプーをするといいでしょう。

猫は犬ほどシャンプーすることはむずかしいですが、体をふくだけでも毛に付着した体成分などを取り除くことはできます。
水で濡らしたタオルだと寒くなってしまうので、温かいお湯でぬらしたタオルで体をふくようにしましょう。

家で過ごすときはフリースやウール素材のものを避けて、綿素材のものを身につけるのもおすすめです。
ウールやフリースはアレルゲンとなる物質が付着しやすいので、避けたほうがいいのです。

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