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蜂:抗原(アレルゲン)の特徴や対策

公開日: : 最終更新日:2015/11/18 抗原


蜂などに刺されて、アレルギー症状があらわれることがあります。
ときには深刻な症状があらわれることもあり、決してあなどれないアレルギーのひとつとして知られています。

どういった症状があらわれるのでしょうか。

蜂に刺されて起こるアレルギー

昆虫に刺される、あるいは触れることでなんらかの症状が起きることがあります。
たとえば蚊に刺されると、刺された場所にかゆみが生じますが、こういった直接的なもののほかに、IgE抗体を抗体としたアレルギーの仕組みによって症状があらわれるものがあります。
こういったアレルギーに多いのが蜂で、針をもつ蜂に刺されることで経皮性アレルギーが起こります。

蜂に刺されるとIgE抗体を通じて即時型アレルギー反応としてアナフィラキシーショックが起こることがあります。
刺されて15分以内に、けいれんや意識消失、低血圧、下痢、嘔吐、気管支狭窄による呼吸困難、声門浮腫、血管浮腫、紅潮、じんましんなど重篤な症状が起こり、最悪の場合死に至るケースもあります。

蜂の毒は反応時間が短く、刺されてから比較的早く症状があらわれるのが特徴です。
症状がすぐにあらわれるほど重篤化しやすく、アナフィラキシーショックによる症状があらわれてから心停止まではほんのわずかな時間しかありません。
日本国内では1年間に30~50人がこういった症状によって死に至っています。

多くのアレルギー症状は、体のなかに蜂の毒素に対する抗体が生成されたのちに、2回目以降に蜂毒が入り込んだ場合に、もともと体内にあったヒスタミンという物質の働きによって、全身に症状があらわれます。

しかし、蜂の毒にはこのヒスタミンという物質がわずかながら含まれているため、たくさんの毒が体内に入り込むと、はじめて刺された人でもアレルギー症状が起きることがあります。
蜂に刺されて死亡した人のなかには何度か刺されたというケースよりも、はじめて刺されたというケースが多いともいわれています。

アレルギー症状が起こる蜂の種類

人間を刺す蜂のなかで重要視すべきなのが、ミツバチ科とスズメバチ亜科、アシナガバチ亜科の3種類です。
これらの蜂に含まれる毒性は酵素を含む高分子たんぱく質やペプチド、さまざまなアミンなどです。

スズメバチは蜂のなかでも大きく、攻撃性が強く、早く飛びます。
スズメバチの毒は針で刺して注入する以外にも、対象に向かって散布することもあり、刺されなくてもアレルギー症状が起こることもあります。
アシナガバチは名前が示す通り足が長い蜂で、スズメバチに比べると危険性は高くありません。

しかし、刺されて死亡に至ったという報告もあるので、スズメバチと同様にアシナガバチにも注意を向けておく必要はあるでしょう。
スズメバチとアシナガバチは抗原性が近いという特徴があります。

つまり、アシナガバチによってアレルギー症状があらわれる人の多くは、スズメバチに刺された場合にアレルギー症状が起こるということです。
蜂毒にはヒスタミンを生成する働きがあるので、刺された箇所は腫れてしまいます。

また、ミツバチはスズメバチなどと比べると攻撃性はありませんが、直接接触すると刺されることもあるので注意が必要です。
場合によってはアナフィラキシーショックが起こることもあるので、十分に気をつけましょう。

蜂と遭遇したら

蜂の毒針には蜂の攻撃性を増すフェロモンが含まれ、蜂に刺されるとその毒針からフェロモンが放出されます。
1匹でも刺されたら、ほかの蜂がフェロモンの影響で襲いかかってくることは多いので、1匹の蜂でも怒らせると大変なことになります。
蜂を見かけたら刺激しないようにそっと距離をとるのが、対策としては重要です。

仕事をする環境に蜂がいる場合は、防虫網を身につけるのがおすすめです。
蜂は黒い色を攻撃する修正をもつので、持ち物や服装は黒以外のものを選んだほうがいいでしょう。
養蜂業や林業など職種によっては蜂との遭遇が多いですが、アナフィラキシーショック対策としてアドレナリンの自己注射をもっておくと安心です。

蜂に刺される事故が多発するのが、7~9月の期間です。
特にスズメバチは8月下旬から攻撃性が増すと言われ、それ以外の季節は比較的攻撃性が弱まり、動きもゆっくりになります。
しかし、そのまま冬を越す蜂もいるため、夏以外にも年間を通して注意が必要となります。

刺された際の対処方法

蜂に刺されたら姿勢を低くしながらその場から距離をとります。
大声を出したり、手で払ったりすると蜂はより攻撃的になるので、そこから立ち去ることを優先します。
近くに水道があれば、傷口を水で流して刺された箇所を冷却します。

針は指で抜こうとするとかえって奥に入ってしまう恐れがあるので、腕を横に払って針を振り落としましょう。
虫刺され用の薬をもっていたら、それを患部に塗ります。
症状を軽減する働きのある抗ヒスタミン系成分を配合したステロイド系軟膏が、刺されたあとの処置に適しています。

ぬらしたタオルなどで傷口を継続的に冷却し、静かにしています。
そしてできるだけ早く医療機関で診察を受けるようにしましょう。
もしもアナフィラキシーショックの症状が見られるようなら、救急車を呼ぶべきです。

山間部などでひとりで刺された場合は、人がいるところまで行って助けを求めましょう。
同行者がいる場合は助けを呼んでもらい、患者自身は安静を保つようにしましょう。
刺された人は足側を15cm~30cmほど高くする姿勢をとって、静かにまちます。

嘔吐などがあるかもしれないので、顔は横を向けておくようにしましょう。
アナフィラキシーショックの治療を受けて状態がよくなっても、時間が経ってから再び症状があらわれることもあります。

これは二相反応と呼ばれるもので、一定割合で発生します。
ほとんどの場合は8時間以内に起こると言われており、その期間は特に注意して経過を観察する必要があります。

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