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昆虫:抗原(アレルゲン)の特徴や対策

公開日: : 最終更新日:2015/11/18 抗原


昆虫に刺される、あるいは昆虫の一部を吸い込むことでアレルギー反応が起こることがあり、これを昆虫アレルギーと一般的に言います。
昆虫によって起こるアレルギーはどういったものなのでしょうか。

昆虫アレルギーとは

昆虫アレルギーは、蚊や蜂など人間を刺す昆虫に刺されることでなんらかの皮膚症状やアナフィラキシーショックが起こるもの、そしてユスリカやゴキブリなどの虫のかけらや排泄物を鼻や口から吸い込んで発生する気管支喘息やアレルギー性鼻炎の2つに大別できます。

昆虫に触れる、もしくは刺されて症状があらわれるケースでは、蚊に刺された場所にかゆみが生じる直接的なものと、免疫グロブリンE抗体を通じてアレルギーの仕組みとして起こるものがあります。
特に多いのが蜂などの針を有する昆虫による経皮性アレルギー、チョウや蛾などの昆虫成分の吸入です。

ユスリカによるアレルギー

ユスリカというのは昆虫綱ハエ目ユスリカ科に属するハエの一種で、外見は蚊に近い姿をしています。
しかし、蚊とはまったく異なる昆虫なので、人間や動物の血液を吸うことはありません。
川沿いや池の近くに小さな虫がたくさん集まって塊のようになっていることがありますが、それがユスリカです。

ユスリカの種類は10000種以上と非常に多く、世界各地に分布しています。
日本国内でも1000種類ほどいることがわかっており、その多くはしめった土のなかや水中で卵から幼虫にかわります。
そして蛹となって最終的に成虫へと変化します。

成虫にいたったユスリカは陸上で交尾をして産卵し、そのまま死んでいきます。
たくさん発生したユスリカが交尾産卵を経て死滅すると、死骸が風化する際に小さな粒子へと変化します。

粒子は非常に軽いため空気中を漂い、家屋内などに溜まっていき、それを人間がなにかのきっかけで吸引するとアレルギー性鼻炎や、ユスリカ喘息と言われる呼吸器疾患が起こります。
小さなユスリカの場合は、生きた状態で口や目に入ることで炎症を引き起こすこともあります。

こういった人間に被害を及ぼすユスリカの大量発生は、さまざまな湖沼、池のある公園、河などで問題視されており、自治体によって対策がとられています。
しかし、水中に生息する幼虫が泥や水に含まれる有機物を消費して成虫となってそこから去ることで、河や池などの水質改善に効果があるというメリットもあります。

栄養分が豊かな水辺で大量発生が見られますが、川などが汚染されて有毒物質が増えると発生しなくなります。
都心の川の場合は、下水道整備などの影響で川が一定の段階まできれいになると、大量発生することがあります。

川にユスリカが生息するのはあたりまえのことなので、ユスリカの大量発生、あるいはまったくいない状態で川の汚染をある程度はかることができます。

ゴキブリによるアレルギー

わたしたちにとって身近な虫のひとつであるゴキブリは昆虫網ゴキブリ目に属します。
雑食性で特に食用油やバター、バナナ、米ぬか、ふかしたジャガイモ、パンなどを好みます。
ほかにも排泄物や髪の毛、爪、動物の死骸、生ゴミ、腐った食物などなども食します。

さまざまなものが餌となるため、あらゆる場所で生存することができます。
ゴキブリは本来は自然環境に生息していましたが、住宅の暖房設備の整備とほどよい湿度が維持されていること、そしてたくさんの餌があることから住宅に住み着くようになりました。
近年、ゴキブリが原因で喘息を発症することがわかり、問題となっています。

アメリカの都市部ではダニよりもゴキブリによる健康被害が多く、問題視されています。
なかでも、子供の喘息を見てみると、ゴキブリに対する皮内反応で陽性となることが多く、ダニの陽性よりも高い数値となっています。
日本ではダニのほうが喘息などのアレルギーの原因としては多いですが、今後ゴキブリをアレルゲンとしたアレルギー症状が見られる人が増えていく可能性はあります。

ゴキブリアレルゲンはホコリの内部に含まれていることが多く、それを吸い込むことでアレルギー反応が起きます。
最近は血液検査によってゴキブリに対するIgE値を調べることが可能です。

ゴキブリが多く生息する環境にいて、血液検査で陽性で、なおかつ環境を整えると症状が改善される場合は、ゴキブリの影響で起こる喘息を発症していると考えていいでしょう。
ゴキブリのアレルゲンはダニと同じで、虫の死骸や糞が原因と言われています。
そのため、ゴキブリの駆除だけでなく、掃除を徹底してそれらを除去することも重要となります。

ゴキブリは暖かい場所を好み、18~32度くらいの温度で活発に生息します。
この温度から外れると生きていけなくなるため、冬場など寒い時期はゴキブリは暖かい場所に身を潜めようとします。
そのため、冷蔵庫の下や給湯器の裏、ガスレンジの奥などはゴキブリのすみかになりやすいので注意が必要です。

また、ゴキブリは圧迫された状態を好み、平べったい形状をしているのは狭い場所に入り込むためだと言われています。
表面にざらつきがある場所に生息しやすいため、壁の割れ目や家具のすきま、食器棚の裏などに居着きます。
ゴキブリは夜行性でさまざまな餌を大量に食すので、日中は姿が見えなくても、夜になると水や餌となる食べ物の近くに出没します。

特に流し台の排水口、食器の水切り、生ゴミ入れ、ペットのえさ入れ、米びつ、戸棚などにあらわれます。
ゴキブリの繁殖を防ぐには、栄養源を絶つことが重要となります。
食べカスやホコリなどがあるとゴキブリの餌となってしまうので、掃除を徹底して取り除いていきます。

ゴキブリの糞もアレルギーの原因となるので、一緒に排除しましょう。
ゴキブリは寒さに弱いので、冬に暖房を入れっぱなしにしておくと人間だけでなくゴキブリにとっても快適な環境となってしまいます。
つけっぱなしは避け、ときには消すようにしてゴキブリがいにくい環境をつくることが大切です。

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