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メディエーター遊離抑制薬の働き・注意点・副作用について

公開日: : 最終更新日:2015/12/09 抗アレルギー薬


メディエーター遊離抑制薬はアレルギー症状の治療に用いられる薬剤です。
ここではメディエーター遊離抑制薬の作用や副作用などについて解説します。

メディエーター遊離抑制薬の働き

ロイコトリエンやヒスタミンは、アレルギー反応を発生させる物質です。これらの物質が放出されて働きかけることで、アトピー性皮膚炎や気管支喘息などの症状があらわれます。

こういったアレルギー反応の原因となる物質を総じて、ケミカルメディエーターといいます。

このケミカルメディエーターの浮遊を薬剤によって阻害することで、アレルギー反応を軽減させることができます。

このケミカルメディエーターの浮遊を阻害する薬剤が、メディエーター遊離抑制薬です。

ケミカルメディエーターは肥満細胞などの免疫細胞から出されます。

メディエーター遊離抑制薬は肥満細胞の細胞膜を安定させる働きをもち、そのアレルギー反応を抑制します。

アレルギー反応の予兆が起こると、肥満細胞は細胞膜を変容させてケミカルメディエーターを出します。

予兆が起きたときに反応が起きないように肥満細胞の膜を安定させることで、アレルギー反応を抑え込むわけです。

この薬はアトピー性皮膚炎の治療などに用いられますが、それほど強力というわけではありません。

働きがわかりやすく利用しやすい薬ですが、それだけに広い範囲でつかわれることはなく、限定された範囲で用いられることがほとんどです。

メディエーター遊離抑制薬の種類

メディエーター遊離抑制薬はベミラストン(ベミロラストK)やアレギサール(ベミロラストK)、ロメット(レビリナスト)、ケタス(イブジラスト)、タザレスト(タザノール)、リザベン(トラニラスト)、インタール(クロモグリク酸Na)などの種類があります。

このうち、アレルギー疾患の治療に利用されることが多いのが、インタールやアレギサールです。

インタールは主に喘息の治療に利用されますが、アレルギー性鼻炎の治療に効果を発揮することもあります。

喘息では気道過敏性の進行を抑えて、喘息発作が発生しにくくします。

アレルギー性鼻炎では、鼻水やくしゃみといった症状が軽減されます。

ただし、この薬は予防目的に利用されることが多く、即効性には劣ります。

効果が十分にあらわれるまでには数週間程度かかることもあります。

また、アレルギーの原因自体を完治させることは不可能です。

起きている喘息発作をなくすことはできないため、そういった場合はほかの薬を用いることが多いでしょう。

インタールは腸管からの吸収されにくい性質なので、点鼻や点眼といった方法で用いられるのが一般的です。

アレギサールは主にアレルギー性鼻炎の治療に用いられ、主な症状である鼻づまりや鼻水、くしゃみなどを抑制します。

インタールと同様に予防効果がある薬なので、発症前から服用するのが望ましいとされています。

花粉症の症状緩和にも効果があるので、花粉シーズンがはじまる前に服用するといいでしょう。

長期化した鼻づまりにも効果を発揮し、服用を一定期間つづけることでさらに効果は高まると言われています。

ケタスは気管支喘息の治療に用いられますが、脳循環を改善させるために用いられるケースもあります。

薬剤を用いることで、脳梗塞後に発生しやすいめまいなどの症状を緩和させます。

人間の体には神経保護作用や抗血栓作用、抗炎症作用、血管拡張作用などをもつ物質があり、これらをcAMPといいます。

この物質量を増加させることで脳血管に働きかけ、めまいなどの症状を抑えられるのです。

メディエーター遊離抑制薬の副作用

アレルギー症状の緩和に効果のあるメディエーター遊離抑制薬は、抗ヒスタミン作用が比較的低い薬剤です。

抗ヒスタミン作用というのは、細胞から出されたヒスタミンが受容体を結びつくことを阻害する働きのことを言います。

つまり、放出されてしまったアレルギー物質を無効かさせる働きと言い換えることもできるでしょう。

ディエーター遊離抑制薬はこの作用が強くないため、その分副作用のリスクもそれほど高くありません。

とはいえ、いくつかの副作用は報告されていますし、人によっては副作用があらわれることもあります。

副作用のひとつが眠気で、これは抗ヒスタミン薬などでも見られる症状です。

しかし眠気はさほど強くないため、日常生活に支障をきたすことは少ないでしょう。

とはいえ、薬を利用する人の体質によって副作用の程度は変わってくるので、強く眠気が出ることもあります。

集中力を要する作業や車の運転などは、できるだけ避けたほうがいいでしょう。

また、頻度としては少ないですが、メディエーター遊離抑制薬を一定期間用いることで発疹が生じることがあります。

これは副作用で起こる症状なのでずっとつづくわけではなく、しばらくすると改善されることがほとんどです。

しかし、時間が経っても発疹が消失しない、痛みやかゆみがひどい、違和感があるといった場合は医師に相談したほうがいいでしょう。

喘息治療でつかわれることの多いインタールは、割合としては少ないですが、喘息発作を誘発することがあります。

薬を用いたあとに息苦しさを感じる、咳き込む、のどがゼーゼー・ヒューヒューとなるといった症状があらわれたら、注意が必要です。

さらにアレルギー性の肺炎のPIE症候群、アナフィラキシー様症状などの重い副作用があらわれることもあります。

PIE症候群は発熱や息苦しさ、痰、咳などの症状があらわれ、アナフィラキシー様症状は息苦しさ、顔やのどの腫れ、全身発赤、じんましんなどの症状が見られます。

インタールは吸入薬の場合は咽頭刺激感、点鼻薬の場合は鼻内刺激感などの副作用が起こる場合があります。

いずれにしても、副作用と思われる症状があらわれたら、程度にかかわらず医師に相談することが大切です。

放っておくと悪化することもあるので十分に注意し、用法や用量をきちんと守ることが重要です。

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