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トロンボキサン阻害薬の働き・注意点・副作用について

公開日: : 最終更新日:2015/12/01 抗アレルギー薬


トロンボキサン阻害薬はアレルギー症状の緩和のために用いられる薬で、主に喘息症状に効果を発揮すると言われています。
どういった作用をもつ薬なのか、見ていきましょう。

トロンボキサン阻害薬とは

トロンボキサンは血小板を凝り固まらせ、血管壁の収縮を発生させる物質です。

リン脂質からホスホリパーゼの作用によって遊離したアラキドン酸は、アラキドン酸カスケードの力によって代謝されます。

アラキドン酸力カスケードではシクロオキシゲナーゼからプロスタグランジン (PG) 類とトロンボキサンといった物質が生成されます。

トロンボキサンはアレルギー症状を引き起こす原因となる物質のひとつで、主に胸苦しさや気管支の炎症などを起こすことがわかっています。

トロンボキサン阻害薬は抗アレルギー薬のひとつで、このトロンボキサンの働きを阻害することで症状を緩和させる働きをもちます。

トロンボキサン阻害薬はトロンボキサンA2の生成を抑制するトロンボキサンA2合成酵素阻害薬と、トロンボキサンA2の働きを抑制するトロンボキサンA2合成酵素拮抗薬の2種類があり、気道過敏性の進行を食い止めます。

トロンボキサンA2合成酵素拮抗薬はトロンボキサンA2受容体に拮抗して働きますが、薬の種類によってその適応はちがってきます。

薬の種類によってアレルギー性鼻炎へ効果があらわれやすいものもあれば、気管支喘息だけに効果を発揮するものもあります。

トロンボキサンA2合成酵素阻害薬は生成を抑制するとともにプロスタサイクリンの生成を促します。

こういった働きによって気道炎症は抑えられ、気道過敏性は改善されるとともに、粘膜線毛輸送能もいい状態となります。

トロンボキサン阻害薬は小児の場合はまだ保険が適用されません。

薬を使用する期間は、定期的に肝機能検査を受けるなど、経過観察をきちんと行う必要があります。

代表的なトロンボキサン阻害薬

トロンボキサンA2合成酵素阻害薬で代表的なものとしては、ドメナン、ベガがあります。

これらの薬はアレルギーと関連の深いトロンボキサンの生成を抑制する働きをもちます。

軽めの喘息やアトピー型に効果を発揮しますが、これだけだと効果が十分ではないので、ほかのぜんそく薬と一緒に服用するのが一般的です。

また、これらの薬はアトピー自体を完治させることはできません。

出血傾向の強い人は、服用に当たっては注意が必要となり、通常は子供には服用がすすめられません。

チクロピジンやアスピリンなどの血栓を予防する薬を一緒に飲むと、出血しやすくなることがあります。

通常は同時に服用されることはないですが、併用する場合は用量などを調節する必要になります。

また、症状によって用法や用量はちがってくるので、医師の指示に従うことが大切です。

これらの薬は服用後すぐに効果があらわれることは少なく、十分な効果が確認されるまでに1ヶ月以上要する場合もあります。

予防薬として用いるのが一般的なので、出ている喘息発作を直接的に止める働きはありません。

そのため、発作が出た場合は気管支拡張作用のある吸入薬などを用いる必要があります。

トロンボキサンA2合成酵素拮抗薬としてよく用いられるのが、ブロニカという薬です。

ブロニカはほかのトロンボキサン阻害薬と同様に、トロンボキサンの働きを抑制する働きをもちます。

この薬はステロイド剤や気管支拡張剤などとちがって、すでに発症している症状や発作をすぐに消失するというわけではありません。

薬を服用している期間に大きな発作が発生したら、ほかの薬で対応することになります。

季節性のアレルギー改善のために服用する場合は、シーズンが到来する直前から服用を開始して、シーズンが終了するまで服用をつづけることが推奨されます。

ステロイド療法を長期間つづけている人は、この薬によってその量を少なくすることができます。

ただし、それによって状態が悪化する恐れもあるので、注意しなければいけません。

トロンボキサン阻害薬による副作用

トロンボキサン阻害薬の副作用はどれほど多くないと言われています。

ごくまれに鼻血や歯肉出血が生じる、女性の場合は生理が長期化するといったような出血傾向が見られる場合があります。

そのほか、かゆみや発疹、胃の不快感、吐き気などの副作用があらわれることがあります。

重い副作用が起こることは少ないですが、長期間服用をつづけることで肝機能値に異常が見られることがあります。

肝機能障害がある人は、薬の服用をつづけることで肝機能異常や黄疸、ごくまれに劇症肝炎が起こることもあります。

高齢者の場合は、少量の服用からはじめるなど、慎重さが求められます。

高齢者の場合は血中濃度半減期が長期化しやすいと言われています。

妊娠中の女性、あるいは妊娠している可能性がある女性は、薬を服用することで得られる効果が副作用などのリスクを上回るときには服用が望ましいとされています。

人間でのデータは乏しいですが、ラット実験では母親の貧血によって胎児の心室中隔欠損が多く見られるようになるという実験結果が報告されています。

授乳中の女性が服用する場合は、授乳は避けたほうがいいでしょう。

成分が母乳にうつる可能性があるので、注意が必要です。

また、アレルギーの症状が長期間つづくと早くよくしたいと思いがちですが、用法や用量はしっかり守ることが大切です。

以前に診察を受けて薬を処方されていても、同じような症状が出たからといって同じ薬を飲むのはやめたほうがいいでしょう。

同時に飲まないほうがいい薬や食べ物については、医師や薬剤師にきちんと聞いておく必要があります。

トロンボキサン阻害薬は副作用が出にくい薬ではありますが、起こる可能性はゼロではありません。

体質や体調によって、思わぬ副作用があらわれることもあります。

あらかじめ副作用の危険性などを聞いておき、その指示に従うとともに自分で気をつけるようにすることが大切です。

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