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慢性円板状エリテマトーデスの原因・症状・検査・治療について

公開日: : 自己免疫疾患

慢性円板状エリテマトーデスの原因

慢性円板状エリテマトーデスは皮膚疾患のひとつで、鱗に似た赤い発疹がひきつりが生じたように円板の形にできるという特徴をもちます。
痛みや発熱などが見られますが、全身に広がることはあまりなく、全身に広がった場合はほかの症状とあわせて全身性エリテマトーデスと呼びます。
慢性円板状エリテマトーデスは光があたる場所のみに生じる皮膚限局性の慢性円板状エリテマトーデス、病変が広がった汎発型慢性円板状エリテマトーデス、全身性エリテマトーデスの皮疹としてあらわれた慢性円板状エリテマトーデスなどにこまかく分類されます。
また寒冷刺激によって起こる凍瘡状狼瘡、皮膚に厚みが増して乾燥した状態となる特殊型もあります。
慢性円板状エリテマトーデスは35~45歳の女性が発症しやすいというのも、特徴のひとつと言えます。
慢性円板状エリテマトーデスを発症する原因は、特定されていません。
しかし、寒冷刺激や紫外線といった外部要因が関連していることは指摘されています。
ほかにも、外科手術や美容整形、妊娠・出産、タバコやタバコによる副流煙、ウイルス感染、薬物などが原因になりうるという説もあります。
全身性エリテマトーデスは血液中の自己抗体が正常な細胞を破壊すると言われていますが、慢性円板状エリテマトーデスは自己抗体とは無関係と考えられています。
皮膚が抗原刺激や物理刺激を受けることで特定のTリンパ球が増えて、細胞間で情報を伝えるたんぱく質であるサイトカンの生成が促進され、症状があらわれると言われています。
遺伝との関係は、親族内や双子で発症する例があまりないことから、可能性としてはうすいと言われています。
しかし、遺伝的観点からの研究が進められていることから、今後なんらかの発見がある可能性はあります。

慢性円板状エリテマトーデスの症状

皮膚表面のかさつきを伴う暗赤色の湿疹が生じます。
境目がわかりやすい発疹が特徴的で、主に頭部や下唇、鼻、頬など日光にあたる場所にできます。
ほんのわずか皮面より高くもりあがり、中心部は角化や萎縮が見られます。
丘疹と膿はともなわず、それが酒さとのちがいと言えます。
口唇に生じた場合はびらん、頭皮にできた場合は脱毛などが起こることがあります。
掻くなどの刺激を与えると、その場所に発疹が拡散する傾向にあります。
発熱や倦怠感といった症状が見られることもありますが、ほとんどは尿検査や血液検査で異常なしという結果になります。
初期症状はほかの病気にも見られるものなので、区別がむずかしいと言えます。

慢性円板状エリテマトーデスの検査

湿疹の出方や形状が特徴的なため、診断はさほどむずかしいものではありません。
視診をしたうえで、さらに皮膚生検の組織所見によって慢性円板状エリテマトーデスということが確かめられます。
皮膚サルコイドーシスや皮膚リンパ球浸潤、SLE、皮膚筋炎、多形日光疹などと症状が近いため、その区別が重要となります。
血液検査が実施されることもありますが、異常があらわれないことがほとんどです。

慢性円板状エリテマトーデスの治療

発疹部位が広範囲でない場合は、外用のステロイド薬を用いた治療を行います。
頭皮の脱毛がひどい場合、皮疹が顔に多くある場合などは内服のステロイド薬がつかわれます。
スルホン剤をつかった治療も、効果が高いと言われています。
しかし、貧血などの副作用があらわれやすいので、利用には慎重さが求められます。
欧米ではクロロキンやサリドマイドが用いられますが、日本国内では許可されていないため、つかうことができません。
慢性円板状エリテマトーデスを予防するには、紫外線をできるだけ避けることが大切だと言われています。
日焼け止めやつばのある帽子、サングラス、長袖などを身につけて、肌の露出をできるだけ避けるようにしましょう。
肌に過剰な刺激を与えることも厳禁で、かゆみがあるときでもかきむしるのは控える必要があります。
薬を塗るときなども、あらかじめ手を洗って清潔な状態で触れるようにしましょう。
寒冷による刺激もできるだけ受けないほうがいいので、通気性にすぐれた天然素材の洋服を身につける、毎日清潔な服を着るということも重要です。
肌がかさつくので保湿にすぐれた化粧品をつかいたくなるかもしれませんが、かえって症状を悪化させる危険性があります。
どういったものであればつけても問題ないか、皮膚科医に確認しておくようにしましょう

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