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自己免疫性溶血性貧血の原因・症状・検査・治療について

公開日: : 自己免疫疾患


自己免疫性溶血性貧血は、免疫が赤血球をまるで異物のように攻撃することによって起こる貧血です。
赤血球に結合する自己抗体ができて、異常に早く赤血球が破壊されてしまいます。

血管の中で赤血球が破壊されてしまうものと、主に脾臓(ひぞう)で破壊されるものがあります。
自己免疫性溶血性貧血はまれな病気ですが、年齢に関係なく発病し、男女比では女性のほうが多いといわれています。

自己免疫性溶血性貧血の約半分は原因を特定することができません。
別の病気である全身性エリテマトーデスや関節リウマチといった膠原病(こうげんびょう)よって誘発されたり、そういった自己免疫疾患に伴って発生することもあります。
体温付近で抗体の働きが強くなるものを温式、体温以下で抗体の働きが強くなるものを冷式といいます。

全国で1300~1700人程度の患者さんがいることがわかっています。
2005年から、指定難病とされています。

自己免疫性溶血性貧血の原因

赤血球と反応してしまう自己抗体ができることによりますが、なぜそうなるのかはまだ明らかではありません。
自己抗体とは、自分の体の成分に対する抗体です。

抗体は、通常は細菌などから体を守るための働きですが、自己免疫疾患では、本来攻撃しなくてもよい自分自身の体に対して抗体がつくられてしまいます。
ほかの自己免疫疾患や悪性腫瘍、マイコプラズマ肺炎の患者さんでこの病気を併発する人もいます。
なお、遺伝性はありません。

自己免疫性溶血性貧血の症状

主な症状は貧血によるもので、だるさ、動悸、息切れ、めまい、頭痛などです。
白目や皮膚が黄色くなる黄疸(おうだん)が見られる場合もあります。
はじめは風邪のような症状が起こることもあります。

脾臓が腫れると腹部の不快感が起こります。
自己免疫性溶血性貧血は、慢性的に経過すると胆石症を合併することも知られています。

急激に赤血球が破壊されることにより、腰痛やヘモグロビン尿(ワインのような濃い色の尿)が見られます。
急激に赤血球が破壊される場合だけではなく、数年にわたって症状が潜伏する人もおり、症状には個人差があります。

自己免疫性溶血性貧血の検査

貧血と診断された場合、血液検査で未熟な赤血球(網状赤血球)が増加していれば、赤血球の破壊が進んでいることがわかります。
あるいは、血液検査でビリルビンという物質が増加する一方で、ハプトグロビンという物質が減少することがわかっています。
一口に貧血といっても原因は多数あり、自己免疫性溶血性貧血の場合は、血液のなかの特定の抗体が多いことが確認された場合に特定されます。

自己免疫性溶血性貧血の治療
症状が軽い場合や、赤血球の破壊速度がゆっくりの場合はとくに治療の必要はありません。
赤血球の破壊が進んでいる場合では、副腎皮質ホルモンであるプレドニンがまず処方されます。
まず、ステロイド剤を多めに服用し、症状が落ち着くと、段階的に量を減らします。

ステロイド剤には副作用がありますが、自己判断で服用を中止してはいけません。
脾臓は赤血球を破壊する器官なので、手術によって脾臓を摘出したり、免疫抑制剤を用いる治療も補助的に行われます。

冷式自己免疫性溶血性貧血では、体を温めることが重要な治療法になります。
重度の貧血の時は輸血が行われますが、輸血は貧血を一時的に和らげるだけであり、根本的な治療ではありません。
一般的には、輸血によって赤血球の破壊が亢進するため、避けられない場合以外は行われません。

自己免疫性溶血性貧血の経過

自己免疫性溶血性貧血の一部は自然に治癒することがありますが、多くは中~長期にわたる服薬の必要があります。
治療によって病状が安定していれば、日常生活が送れます。
ほかの自己免疫疾患や悪性腫瘍の合併がない場合は、発症10年後は約70%の生存率です。

副腎皮質ステロイド剤の服用は、医師の指示通りに行ってください。
副作用があらわれても、自己判断で中止してはいけません。

また、ストレスや感染症によって、症状が悪化する場合もありますので、無理をせず、風邪などの感染症にかからないように気をつけてください。
冷式の患者さんは、服装や寝具を暖かく保つとともに、手や顔などの露出している部分が冷えないように注意してください。

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