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乾癬の種類と症状や治療について

公開日: : 最終更新日:2015/11/26 乾癬

尋常性乾癬の症状や治療

乾癬はいくつかの種類に分類されますが、そのひとつが尋常性乾癬です。
「尋常性」は普通と言った意味合いで、乾癬を発症した人の多くがこのタイプです。

尋常性乾癬の症状

はじめにニキビに似た赤い湿疹が生じ、それが少しずつまわりに広がるにつれて、厚みのある垢をもつようになります。
そして、一定期間が経過したころに状態がよくなって、症状そのものがなくなるといったことが繰り返し起こります。

なぜ改善したのに再び悪化するのか正確なことはわかっていませんが、そのときの体調や環境の影響が大きいと言われています。
そのため、普段の生活を整えることも乾癬の症状をある程度コントロールするためには必要です。

乾癬はケブネル現象が起きやすく、刺激を受けたり傷ついたりした箇所から、新たな発疹が生じるということもあります。
そのため、体のなかで刺激を受けやすい箇所である頭や尻、膝、肘、などに症状があらわれやすい、もしくは悪化しやすいとされています。
こうして悪化したり良くなったりすることを繰り返し、慢性化していく非常にやっかいな病気と言えます。

爪が白く厚みを増す症状があらわれることもあり、これが症状が近い爪水虫と誤解されるケースもあります。
かゆみがともなうケースとまったくないケースなどがあり、かゆみに関しては個人差が大きいと言えます。
慢性かつ難治性の病気ですが、患者のほとんどは成人で、子供がかかることは希だと言われています。

尋常性乾癬の治療方法

尋常性乾癬を根本的に完治させる治療法はまだ確立されているとは言えませんが、症状を抑えるための方法はあります。
尋常性乾癬の治療法はさまざまで、光線療法や内服薬、外用薬などが代表的です。

症状がそれほど重篤化していなければ、外用薬を用いた治療だけである程度状態がよくなることもあります。
症状がひどい場合は、内服薬や光線療法を取り入れて治療を進めていくのが一般的です。
用いられる外用薬の種類はいろいろですが、ステロイド薬が主流です。

ほかにもすぐに効くとは限りませんが、活性型ビタミンD3外用薬などの薬が用いられることもあります。
活性型ビタミンD3外用薬は効き目があらわれるのに時間がかかるものの、副作用がほとんどあらわれないことから選択されることが多い薬です。
昔からの治療として外用薬であるタールやアンスラリンなどもありますが、現在はほとんど用いられることはありません。

内服薬としては、免疫抑制薬であるシクロスポリン(ネオーラル)、ビタミンA類似物質であるエトレチナートなどが一般的に用いられます。
これらの薬はある程度の改善効果が、確認されています。
光線療法は紫外線の増感剤であるメトキサレン(オクソラレン)を患部に塗布したのちに行われます。

患部に紫外線を照射するという方法で、PUVA療法とも言います。
乾癬が体中に拡散している場合、入院してメトキサレンを内服してからこの治療を行うこともあります。

最近はPUVA療法よりも改善効果が高いとされる紫外線波長をつかったナローバンドUVB療法が利用されることもあります。
これは特に乾癬改善効果が高いとされ、今後の治療に期待できます。
最近は、生物学的製剤の活用も活発となっています。

生物学的製剤というのは最新のバイオテクノロジー技術をつかってつくられた新薬で、生物が生成するたんぱく質をつかって製造されています。
体内で炎症を引き起こす物質を、それに対抗できる抗体を生成することで取り除けるというもので、関節リウマチの治療などで大きな成果を残しています。

このように尋常性乾癬にはさまざまな治療方法がありますが、それぞれメリットもデメリットもあるので、そのことをよく理解することが大切です。
患者ひとりひとりの治療の目的も少しずつ異なるので、それに適した治療法を選択することも必要になるでしょう。
体質や症状によっても選択すべき治療法は変わってくるので、まずは正確な診断が重要となります。

滴状乾癬の症状や治療

乾癬にはいくつかの種類があり、そのひとつが滴状乾癬です。
この滴状乾癬はどういった症状をもち、どんな治療法が有効なのでしょうか。

滴状乾癬の症状

滴状乾癬は尋常性乾癬などと同じで、頭皮や脚、腕などに紅斑が生じる皮膚疾患です。
このタイプの乾癬は尋常性乾癬に次いで、患者数の多い疾患です。
滴状乾癬は子供や30代成人の患者が多く、呼吸器疾患やウイルス感染によって起こると言われています。

プラーク乾癬などは盛り上がった湿疹が特徴的ですが、滴状乾癬であらわれる乾癬は厚みがそれほどないのが特徴です。
斑点の多くは小さく、うろこ状になっているケースと、うろこに覆われていないケースがあります。
滴状乾癬による症状は急に起こることが多く、ほとんどが小さな赤い点としてはじまります。
このはじめに生じた小さな赤い点が時間の経過とともに拡大して、広がっていきます。

掌蹠膿疱症同様、扁桃腺炎、β遮断薬や抗マラリア剤などを含む特定の薬の服用などをきっかけとして発症する場合もあります。
斑点は体の一部にあらわれることもあれば、体全体に広がることもあり、それは人によって異なります。
小さな丘疹がぱらぱらとあちこちにできることが多く、水滴がはねたように見えるためこういった名称となっています。
治療によって完治することもありますが、人によっては尋常性乾癬に移行することもあるようです。

滴状乾癬の治療方法

滴状乾癬のほとんどは治療によって治ると言われていますが、なかには生涯にわたって病気とつきあっていくことになる人もいます。
また、1度は症状を抑え込むことに成功したものの、数年後にプラーク乾癬として再発することもあります。
滴状乾癬の治療では、局所軟膏や塗り薬といった外用薬が用いられるのが一般的です。

こういった薬のほとんどは低刺激性のステロイドが配合されています。
薬は1日に数回患部に塗ることで、薬に含まれるステロイドの働きによって体の免疫反応を抑制します。
免疫反応を抑制することで、過剰な細胞増殖を緩和させることができます。

また、副腎が放出する物質に近いステロイド系ホルモンが含まれるコルチコステロイドが用いられることもあります。
シクロスポリンという薬剤は本来、移植された臓器に対する体の拒否反応を予防するために用いられますが、免疫に関連する疾患にもつかわれることがあり、滴状乾癬の治療にも効果を発揮すると言われています。
メトトレキサートは免疫の仕組みを抑制するための薬剤で、悪化した乾癬、もしくはほかの治療がうまくいかない乾癬に用いられます。

滴状乾癬の治療は薬剤を用いた治療がメインとなりますが、症状を抑えることを目的に、さまざまな処置が試される場合もあります。
そのひとつがフケ防止効果のあるシャンプーで、主に頭皮に乾癬が生じた場合に用いられます。
光線療法や日光などに患部をあてて、状態の改善をはかる方法が行われることもあります。

かゆみや炎症がひどい場合は、コールタールを含むローションが症状緩和のために用いられます。
コルチゾンクリームもかゆみの緩和に効果があるとされているので、選ばれる場合があります。
こういった治療は対処療法と呼ばれるもので、乾癬を根本的に完治させる方法はまだ確立されていないというのが現状です。

そのため、治療の目的は症状を抑える、あるいは管理するということがメインとなります。
医師にすすめられた療法をよく理解したうえで、取り入れて症状が悪化するような行為はできるだけ控えるようにすることが大切です。
特に喫煙や皮膚へのダメージ、ストレス、感染症などは感染の症状を引き起こすきっかけ、あるいは悪化させる要因となるので、日常生活のなかで避けるようにしましょう。

塗り薬が処方された場合は、入浴後やシャワーをあびたあとに患部に塗布することが推奨されています。
入浴後は体の余分な潤いが除去されるため、薬を塗るのに適していると言われています。

関節症性乾癬の症状や治療

乾癬のなかで手足や四肢、足趾などの関節炎を合併したものを、関節症性乾癬と言います。
乾癬が重症化することで起きると言われており、男女比では男性のほうがわずかに多いとされています。

関節症性乾癬の症状

関節症性乾癬は尋常性乾癬と同じように原因ははっきりと解明されていませんが、より体質的な要因が深く関わっていると推定されています。
症状のはじまりは尋常性乾癬と同じで、発疹が体のいたるところに生じます。
この発疹は赤みを帯びてきますが、関節症性乾癬の場合、そのタイミングで関節の痛みが起こります。

手指や足趾などの関節が痛むことがほとんどですが、腰や膝、肩、肘などに痛みが生じる場合もあります。
関節痛が長期間に及ぶと関節の変形が見られるようになるため、注意が必要です。

関節が炎症状態となることで軟骨がもろくなり、骨が変形をきたすようになります。
膝などが腫れてしまうケースもあります。
また、人によっては発疹よりも関節炎が先に見られることもありますが、割合としてはごくわずかです。

関節症性乾癬の治療方法

関節症性乾癬では、発疹と関節炎両方の治療を進めていくことになります。
どちらにも改善効果があるとされるシクロスポリン(ネオーラル)という薬剤を服用するのが一般的ですが、発疹対策としてステロイド外用薬が用いられることもあります。
同じく発疹改善への効果が見込める活性型ビタミンD3外用薬が出されることもあります。

関節痛には関節リウマチの治療に用いられるメトトレキサートが効果的だと言われています。
関節症性乾癬が重症化している場合は、生物学的製剤が用いられることもあります。

これは関節リウマチに効果があると言われるもので、関節症性乾癬によって起こる関節の痛みにも効果を発揮すると言われています。
ただし、この薬剤を用いる場合は、感染症が悪化しないか、過去に結核の既往がないかといったことを確かめるために検査や診察が行われます。

乾癬性紅皮症の症状や治療

乾癬性紅皮症は乾癬が悪化して、体中が炎症状態となって真っ赤になってしまう病気です。
ここではその症状や治療方法について紹介します。

乾癬性紅皮症の症状

乾癬は皮膚が局所的に赤い発疹が生じる病気ですが、それが時間の経過とともに体中に拡散することがあります。
その際に白い垢のような物質が付着し、それがぼろぼろと剥がれ落ちて、時間の経過とともに症状は治まってきます。
しかし、なんらかの要因によって発疹がほかの場所にも範囲を広げ、全身が真っ赤に炎症することを乾癬性紅皮症といいます。

発症する割合はごくわずかなので、乾癬を発症したからと言って必ずしも乾癬性紅皮症になるとは限りません。
乾癬性紅皮症を発症すると乾癬の症状が全身に広がるため、体中が真っ赤になって炎症状態となります。
症状の程度にもよって多少の差はありますが、皮疹の間に症状があらわれていない肌がある場合もあれば、全部がひとつとなって健康な肌が皆無となってしまうこともあります。

乾癬性紅皮症は乾癬が悪化することで起こる病気ですが、なぜ症状が進むのかという理由はまだはっきりとわかっていないのが現状です。
しかし、いきなり乾癬の治療を中止する、あるいは強い治療を長期間にわたってつづけることで悪化しやすく、乾癬性紅皮症に移行するケースが多いということがわかっています。
特に不適切なコルチコステロイドの外用あるいは内服、光線療法などによって悪化することが多いと言われています。
体質との関連も大きいと言われ、紅皮化しやすい人は特に悪化することが多いので注意が必要です。

乾癬は周囲の理解が得られないとストレスを感じやすい病気と言われ、治療をつづけるなかでネガティブになってしまうという人は少なくありません。
そういったストレスによって症状が悪化し、乾癬性紅皮症に移行してしまうことがあるようです。
乾癬は珍しい病気ではありませんし、人から人へ感染することもありません。
そういったことをよく理解し、できるだけ前向きでいること、そして周囲の人の理解をえることが症状の悪化を防ぐ方法のひとつと言えるでしょう。

乾癬性紅皮症の治療方法

乾癬性紅皮症の診断は医師による視診がメインとなりますが、血液検査も行われます。
乾癬性紅皮症だということがはっきりすれば、入院をしてさらに詳細な検査を行うのが一般的です。
乾癬性紅皮症の治療では光線療法や内服薬、外用薬によって乾癬によって生じた症状を抑えていくこと主となります。
光療法は状態を悪化させる恐れがあるため、この場合は用いられないのが一般的です。

TNFα阻害薬をつかって治療が行われることもあります。
この薬は関節や爪、皮膚などに症状があらわれているケースで効果を発揮すると言われ、比較的短期間で症状が治まるとされています。
乾癬性紅皮症など乾癬が重症化したケース、あるいは従来の治療によって効果がえられなかった人に用いられるのがこの治療法です。

乾癬はアトピー性皮膚炎などと比べてかゆみはあまりないとされていますが、人によっては強いかゆみが生じることもあります。
特に頭皮に起こるかゆみは強いと言われ、早急な対処が必要となります。
かゆみがある場所を掻きむしると、より状態が悪くなってしまうため、TNFα阻害薬を用いることでかゆみの抑制を目指します。
全身療法などもかゆみに効果がありますが、薬の服用を中止すると症状がぶり返すことが多いため、かゆみが強い場合はTNFα阻害薬が用いられるのが一般的です。

全身に広がった皮疹に関しても、TNFα阻害薬による治療がうまくいって症状が緩和されれば、塗り薬の使用回数や量を減らすことにつながります。
塗り薬は毎日塗らなければいけないこと、塗ったところがベタベタとすることから、わずらわしさを感じる人は多くいます。
こういった大変さやストレスから自由になることも、長期の治療においては大切なことだと言われています。

膿疱性乾癬の症状や治療

膿疱性乾癬は乾癬のなかの病型のひとつです。
ここでは膿疱性乾癬について、くわしく見ていきます。

膿疱性乾癬の症状

乾癬のうち、皮膚の発赤や発熱と一緒に膿疱が多く生じることがあり、それを膿疱性乾癬と言います。
膿疱は血液に含まれる白血球が集まったもののことですが、細菌感染ではないため、人から人へ伝染するリスクはありません。
膿疱性乾癬はさらに複数の病型に分類され、膿疱性乾癬による皮疹が足の裏や手のひら、指先など局所的にみられるものを限局型といいます。

環状の乾癬皮疹に小膿疱が混じるタイプの病型もあります。
尋常性乾癬のなかには膿疱が生じるものもありますが、全身症状は軽症ですぐに治るものがほとんどです。
四肢のむくみや全身の膿疱、発赤、全身倦怠感、発熱など重い症状があらわれることがあり、こういった病型は膿疱性乾癬(汎発型)と呼ばれます。

膿疱性乾癬ははじめに灼熱感とともに体中に紅斑が生じます。
ほとんどの人が高熱と悪寒をともない、関節痛や全身のむくみが起こることもあります。
時間が経つと紅斑のうえに多くの膿疱が生じて、人によっては目の炎症が起こることもあります。

皮膚上に膿疱がたくさんできると、皮膚がもつバリア機能が大きく低下します。
そのため、体内の水分バランスに乱れが生じて、さらに高熱によって体力も低下します。
この状態が長期化すると腎臓や心臓への負担が大きくなって、高齢者の場合は生命を脅かされることもあるので注意が必要です。

治療を行うことで皮膚に生じた赤みは少しずつ消失し、膿疱は破れて徐々に回復に向かいます。
そのあとは皮膚が元通りになるパターン、尋常性乾癬に見られる発疹に移行するパターン、もしくは手足に膿疱があらわれたり消失したりするパターンなど、さまざまな経緯をたどることになります。

膿疱性乾癬の治療方法

膿疱性乾癬の治療では、症状の程度、ほかの病気や妊娠の有無、患者の年齢、用いる薬の副作用などによって適切な治療方法はちがってきます。
最近は膿疱性乾癬(汎発型)診療ガイドラインがつくられているので、それに沿って各患者に最適な治療方法が選ばれます。

膿疱性乾癬の多くは、入院治療が必要です。
安静に過ごし、点滴を用いて水分バランスをコントロールし、高熱がある場合は解熱剤をつかって熱を下げます。
皮膚のバリア機能が弱っている場合は、軟膏を用います。

膿疱性乾癬に改善効果のある治療機器や治療薬は複数有りますが、小児や妊婦、授乳中の女性には用いることができないもの、あるいは長期にわたって使用する場合に注意が必要なものも多いので、必ず医師の指示をあおぐ必要があります。

膿疱性乾癬ではビタミンA酸の誘導体であるエトレチナートという内服薬を用いるのが一般的で、ほかにも免疫抑制剤であるメトトレキサート、シクロスポリンが用いられるケースもあります。

最近は、生物学的製剤のひとつであるNFα阻害薬が治療に利用されることも少なくありません。
また、取り出した血液を専用カラムに活性化した好中球や単球を吸着させる療法が用いられる場合もあります。
同時に紫外線治療が行われるケースもあります。

こういった治療がうまくいかない場合、患者の全身状態が危険な場合は、副腎皮質ホルモン剤の全身投与が検討されます。
また、いくつかの治療法を組み合わせて、同時に進めていくこともあります。

膿疱性乾癬は感染症や薬剤服用、妊娠をきっかけに症状が再発する可能性があります。
もしもなんらかの異変を感じたら、放っておかずにすぐに医師に相談することが望ましいでしょう。
再発を防止するためには、医師の指示のもと、薬剤治療を継続することが重要です。

また、膿疱性乾癬の治療で用いられるエトレチナートやメトトレキサートといった薬剤を用いた場合、一定期間妊娠や献血をすることができなくなるので注意が必要です。
膿疱性乾癬は長くつきあっていく病気のひとつなので、治療薬の選択や薬の副作用についてしっかり理解しておくことが大切だと言えるでしょう。

汎発性膿疱性乾癬の症状や治療

汎発性膿疱性乾癬は膿疱性乾癬とも言われ、厚生労働省指定難病のひとつに指定されています。
治療がむずかしい病気ではありますが、適切な治療を根気強くつづけていくことで病状のコントロールは可能だと言われています。
ここでは汎発性膿疱性乾癬について解説していきます。

汎発性膿疱性乾癬の症状

汎発性膿疱性乾癬は発症割合が低い病気のひとつと言われています。
発症すると発熱や悪寒などの全身症状とともに、体中に赤みをおびた皮疹が生じ、そのうえに小さな膿を含む発疹のようなものが多く生じます。
膿と膿は付着して、それらがより大きな膿を形成することもあります。

発熱だけでなく、食欲不振や全身倦怠感、むくみなどの全身症状が見られることもあり、関節症状や粘膜症状が見られる場合もあります。
症状が重いと起き上がるのも困難となり、そのまま寝たきりになってしまうことも珍しくありません。
場合によっては合併症状としてアミロイドーシスが起こることもあり、命の危険のある病気でもあります。

排尿困難や目のかすみ、関節痛などの症状があらわれることもあり、関節の症状が改善されずに進行すると関節が変形することもあります。
そうなると日常生活にも大きな支障があらわれるため、注意が必要です。
目のかすみは放っておくと悪化することがあり、失明につながる恐れもあります。
それらの症状はいったん治まったように見えても、幾度も繰り返されることも珍しくありません。

なぜ汎発性膿疱性乾癬が発症するかということは、はっきりわかっていないというのが現状です。
しかしさまざまな研究によって、発症のきっかけや病気の進行、有効な治療方法などは徐々に解明されつつあります。
この病気は遺伝的要素が強く、さらにストレスや喫煙習慣、食生活などが影響して発症するのではないかと考えられています。

また、長期間ステロイドを利用していた人が、徐々に量を減らすのではなくいきなり薬剤の使用をやめることで、急に症状があらわれる場合があることもわかっています。
扁桃炎が同時に起こることも多く、こういった場合は扁桃の切除によって状態が改善されると言われていますが、具体的な関連性はまだ解明にいたっていません。

汎発性膿疱性乾癬の治療方法

汎発性膿疱性乾癬に関しては治療のためのガイドラインがあるので、それに沿って行われるのが一般的です。
それぞれの年齢や全身状態、皮膚症状などを確認したうえで、適した治療が選択されます。

むくみや食欲不振、全身倦怠感、発熱といった全身に関わる症状が強く出ている場合は、点滴などを用いて状態を安定させます。
治療のための内服薬としては、ビタミンA酸誘導体や抗癌薬、副腎皮質ホルモン薬などが用いられることが多いでしょう。
ステロイド外用薬の使用、そのほか光線療法が試されることもあります。

汎発性膿疱性乾癬は入浴や運動、食事など日常生活での制約は特にありませんが、健康管理には気をつけることが望ましいでしょう。
虫歯や風邪などになると状態が悪化することがあるので、注意が必要です。
また、皮膚に強い刺激を与える、過度な日焼け、皮膚の病気などは汎発性膿疱性乾癬を悪化させる要因となるので、できるだけ避けるべきです。

汎発性膿疱性乾癬は根本的な原因がはっきりとわかっていないため、確実な予防方法もないというのが現状です。
しかし、膿疱という特徴的な症状が確認されるため、比較的自覚しやすい病気だと言えます。
少しでも異変を感じたら、放っておかずに直ちに医療機関を受診することが大切です。

汎発性膿疱性乾癬を発症するとほかの皮膚病が併発する、あるいは感染症へのリスクが高まることがあるため、早期発見と早期治療が重要となります。
早い時期に適切な治療を開始することで、早く症状が改善されやすくなります。
汎発性膿疱性乾癬は精神的な負担が大きい病気のひとつですが、早く状態がよくなればその分精神的な負荷も感じにくくなるはずです。

爪乾癬の症状や治療

爪乾癬はその名の通り、爪に生じる乾癬のことを言います。
爪乾癬は皮膚に生じた乾癬と比べて治りにくいため、治療が長期間に及ぶこともあります。
ここではそんな爪乾癬についてくわしく解説していきます。

爪乾癬の症状

乾癬を発症した人がどの程度の割合で爪乾癬が起こるかは正確には判明していませんが、半数近いとも言われています。
爪病変は多くの人に起こりやすい症状で、軽微なものを含めれば多くの人が発症するとされています。
特に年を重ねるごとに爪の病変は起こりやすいため、高齢者が乾癬を発症した場合は注意が必要です。
また、若年層ほど爪病変は重くなりやすいとされています。

小児の場合は、そのほとんどに点状陥凹が確認されます。
続いて多く見られるのが爪剥離症で、ぼろぼろとなる、爪甲の消失、変色、点状出血、爪の肥厚・角質増殖などが生じることもあります。

どんな症状が見られるか、どのくらいの頻度で症状があらわれるかということは人によって大きく異なります。
爪の根元から細胞増殖は進行していくので、不全角化を起こって爪の表面から脱落し、表面の凹みができる場合があります。
爪の先のほうや爪半月でも細胞増殖は進んでいき、爪床部が炎症状態となり、白色爪の変化や油染み斑点という褐紅色斑点が確認されるケースもあります。

また、点状陥凹との関係が深いとも言われ、長さや深さは病状の程度や進行期間によって決まるとも言われます。
爪床の炎症は爪甲剥離を引き起こし、まわりのピンク色の正常部分との境目に黄紅色の辺縁帯にあらわれます。
爪床の状態が悪いと爪甲下角質増殖が引き起こされ、縦長の点状出血が見られる場合があります。
爪囲が乾燥状態となることがあり、爪囲炎に近い症状があらわれることもあります。

人によってはカンジダ性爪囲炎が併発することもあるので、注意が必要です。
爪色の変化が顕著で、白色や黄色、緑色などに変化する場合があります。

爪乾癬の治療方法

爪乾癬の治療はとても困難で、治療は長期間に及ぶことも珍しくありません。
一般的な乾癬治療が行われることが多いですが、爪に対しては確かな効果がえられないこともあるようです。

ただし、強いタイプのステロイド剤、それにビタミンD3製剤を混ぜた外用薬は、一定の効果がえられることが確認されています。
また、ステロイド剤の局所注射、生物学的製剤なども効果があることがわかっています。

トリアムシノロンを爪母と爪床に局所注射する方法も効果が見込めますが、出血や痛みなどをともなうため麻酔注射が必要となるなど、まだまだ課題が多い方法と言えます。
また、小児の場合は副作用のリスクが危惧されるため、治療にステロイド剤が用いられることはありません。

光線療法に関しては、PUVA療法がある程度の効果があるとされています。
ナローバンドUVBも効果が期待されますが、ナローバンドUVBがどれほど爪を通して効果を発揮するかわからないという意見もあります。
最近主流となりつつある、エキシマライトはUVB波長領域にもかかわらず強力なエネルギーをもち、爪乾癬に効果を発揮するという説もあります。

X線照射は古くから行われてきて一定の効果があることが確認された方法ですが、発がん性の高さから現在は避けることが推奨されています。
ただし、低線量の照射で、なおかつ高齢者の爪乾癬であれば実施可能とする向きもあります。

メソトレキセートやレチノイド、シクロスポリンなどの全身投与も効果が見込めますが、副作用のリスクが高いため、使用には慎重さが求められます。
最近は、重度の乾癬に対しては生物学的製剤が利用されることがあたりまえとなってきました。

爪乾癬は乾癬性関節炎を併発しているケースが多く、そういった場合はできるだけ早く関節炎の治療を開始することが望ましいため、生物学的製剤を用いることが推奨されます。
生物学的製剤は毎年のように新たな薬剤が登場していますが、どれを選択するか、どの薬剤と組み合わせるのかは慎重に検討すべき問題と言えるでしょう。

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