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食物アレルギーの為の食物負荷試験でわかる事

公開日: : 最終更新日:2016/01/29 アレルギーの検査


子供に多い食物アレルギーは、ときには重篤な症状があらわれることのあるアレルギーのひとつです。
食物アレルギーの診断に当たってはさまざまな検査がされますが、特に重要視すべきなのが食物負荷試験です。

ここではこの食物負荷試験について紹介します。

食物負荷試験とは

食物アレルギーの場合、なんらかの症状があらわれていても血液検査で陽性になることは少なくありません。
実際に食物を摂取しないと食物アレルギーの確定診断にいたらないことも多々あるのです。

また、幼い頃に食物アレルギーと診断されても、ほとんどの子供は成長するにつれてアレルギー症状が起こらなくなります。
食物負荷試験は食物アレルギーの診断を確定させるため、もしくは食物アレルギーが改善されたかといったことを確かめるために行われます。

具体的な目的としては血液検査や皮膚検査で陽性だが実際に口にしたことがない場合、じんましんなどの原因アレルゲンの診断が必要な場合、アトピー性皮膚炎で食物アレルギーの影響を疑う場合などに食物負荷試験は実施されます。

また、成長によってアレルギーそのものはなくならなくても、形態によっては食べられるようになることもあります。
たとえば、卵そのものを食べるとアレルギー症状があらわれるものの、卵の加工食品であれば食べても問題ないといったことはよくあります。

そういったことを調べるのにも、食物負荷試験は有用です。
アレルギー症状が軽度な場合は、食物負荷試験の対象とならない場合もあります。

食物負荷試験の流れ

食物負荷試験を行う前には、過去に食事をしたときにあらわれた症状、年齢、血液検査結果などをもとに、対象とする食物を医師とともに決定します。
この検査は日帰りで実施できるものと入院が望ましいものがあり、どちらにするかも医師とよく相談する必要があります。

体調に問題があると検査することができないので、検査までは体調を整えておくことが大切です。
検査に影響を及ぼす薬などもあるので、検査前日の朝から検査後数日は薬の服用は基本的に中止します。

負荷食物であるソバやピーナッツ、ゴマ、魚、大豆、牛乳、鶏卵などの負荷食物は、栄養士などによって調理されます。
検査当日は朝来院して、体調が急変した場合に備えて点滴をしておくのが一般的です。

その後食物負荷試験をスタートしますが、対象となる食品は少しずつ15分おきに口にするのが通常の流れです。
血圧低下や腹痛、目のかゆみ、くしゃみ、鼻水、呼吸困難、咳、じんましんなどのアレルギー症状が出ないか様子を見ながら進めていきます。

夕方くらいには食物負荷試験は終了することが多いでしょう。
症状の程度や出方によっては、最後まで行わずに途中で終了することもあります。

アレルギーには摂取後数時間で症状があらわれる即時型反応もあれば、48時間後に症状があらわれる遅延型反応もあります。
病院で確かめられる症状は即時型反応だけなので、自宅に帰ってからもしばらくは体調の変化に注意を向けておく必要があります。

遅れてアレルギー症状があらわれた場合も、陽性と診断されます。
乳幼児はうまく自分の体調を伝えられないこともあるので、特に体調の変化に注目しておくことが大切です。

わずかなじんましんや吐き気、口周辺の発赤のみの症状の場合は、判定が保留される場合もあります。
この場合は自分の家で再び同じ内容の食物負荷試験を行って、症状が再現されるかどうかを観察します。

食物負荷試験の判定

食物負荷試験を実施して症状があらわなければ、結果は陰性ということになります。
その場合は今後口にしても問題ないということになるので、食事に取り入れても大丈夫です。

ただし、子供の場合は体調が変化しやすいので、少量ずつ様子を見ながら量を増やしていくことをおすすめします。
食物負荷試験でなんらかの症状があらわれた場合は、一定期間摂取が制限されます。

どの程度の食事制限期間を設けるかは、食物の種類や子供の年齢などによって判断されます。
摂取を控えるべき食物も、子供の成長によって症状があらわれなくなることは多いので、一生涯にわたって摂取が制限されるとは限りません。

また、症状があらわれたとしても、症状の出方や程度、それまでの摂取量などによって、摂取を完全に中止しなくていい場合もあります。
その場合は、食品の種類や摂取量を医師と相談したうえで、決められます。

食物負荷試験で注意すべき点

食物負荷試験を行うと、腹痛や下痢、嘔吐、目のかゆみ、くしゃみ、鼻水、呼吸困難、咳、湿疹、じんましんなどのアレルギー症状があらわれることがあります。
また割合としては少ないですが、アナフィラキシーショックが起こる可能性もゼロではありません。

そのため食物負荷試験を行う場合は、蘇生を含めたさまざまな緊急処置に備える必要があります。
症状によっては投薬や点滴、酸素投与などをすみやかに行う必要があり、場合によっては入院することになります。

たくさんの食品の除去が見当される場合は、危険性が少ないもの、もしくは大豆や小麦、牛乳、卵などアレルギーの起きやすい食品からスタートします。
かにやえび、ピーナッツ、ソバなどの食品は症状が1度でも出ると、再び食べられるようになるのはむずかしいとされています。

食物負荷試験は重篤な症状があらわれることもあってリスクが高いこと、十分な施設が必要なことからすべての医療機関でできるわけではありません。
かかりつけの病院で食物負荷試験を実施していればそこで実施していない場合は、施設やノウハウをもつ医療機関を探すことになります。

アレルギーは命に関わる症状が起きることもあるため、病院選びも慎重さが求められます。
通い始めたばかりの病院ですぐに食物負荷試験が行われることはまずないので、一定期間通院して医師との信頼関係を築くことも大切です。
そして、医師が必要だと判断した段階で、食物負荷試験は受けるべきでしょう。

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