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成人スティル病の原因・症状・検査・治療などを詳しく

公開日: : 膠原病


小児期に発症した関節リウマチのうち、関節の症状だけでなく高熱と発疹をきたす病気のタイプを、「スティル病」といいます。
長い間、スティル病は子供にしかかからない病気と考えられてきましたが、1971年にイギリスの医師が成人(16歳以上)になって発症する患者さんがいることを発見し、「成人発症スティル病」と命名しました。
子供の頃のスティル病が再燃する場合と、大人になってこの病気を発病する場合をまとめで成人スティル病といいます。
膠原病の一種ですが、リウマチ因子や抗核抗体などの自己抗体は検出されず、自己炎症性疾患と呼ばれる病気の範囲に含まれる可能性もあります。
2011年度の厚生労働省の調査によると、約5000人の患者さんがいると推定しています。
平均発症年齢は46.5歳で、70歳以上の高齢者にも発症が見られます。
家族の中に同じ病気にかかったことのある患者さんはほとんどいませんでした。

成人スティル病の原因

成人スティル病の原因は不明です。
ただ、この病気では白血球の一部やマクロファージなどが勝手に活動して、炎症性サイトカインという物質を大量に産出し、その結果として体内に強い炎症(高熱や関節炎)を起こすと推定されています。

成人スティル病の症状

代表的な症状は、関節炎、皮膚の湿疹、高熱です。
39度以上の高熱が一週間以上続き、関節痛は2週間以上続きます。
かゆみを伴いわない薄いピンク色の湿疹が、熱が出るとともに現れ、熱が下がると消えます。
特に、高熱の出方に特徴があり、午前中は平熱ですが、夕方から夜中にかけて40度にも達する高熱がでます。
その他、喉の痛み、リンパ節の腫れ、肝機能障害なども現れることがあります。
特に、喉の痛みは、子供のスティル病では見られませんが、成人スティル病の90%の患者さんに見られる症状です。
患者さんの多くはアレルギー体質であり、薬に対するアレルギーが起きやすくなります。
重篤な合併症としては、胸膜炎(肺の周囲に水が溜まる)、心膜炎(心臓の周囲に水が溜まる)、間質性肺炎(肺が硬くなって呼吸が苦しくなる)などもあります。

成人スティル病の検査

血液検査では、血清フェリチンという、マクロファージが暴れて炎症が起きている時に高くなる値が明らかに上昇します。
白血球の増加、肝機能障害に伴う値の上昇も血液検査で判明します。
一般に、慢性の炎症疾患の場合に陽性になる、抗核抗体やリウマチ因子が上昇しないことも、診断の基準になります。
そのうえで、感染症や悪性腫瘍などの可能性を排除したときに、成人スティル病の診断が下されます。

成人スティル病の治療

炎症を抑えるための治療が基本です。
まずは、非ステロイド性抗炎症薬がまず使われます。
十分に解熱しない場合は、副腎皮質ステロイド剤を用いて、病気の状態がよくなるように治療します。ステロイド剤(プレドニン)をはじめは大量に飲み、様子を見ながら徐々に減薬してきます。
症状が重いときは点滴によるステロイドパルス療法が行われることもあります。
ステロイド剤が効果的でないときは、免疫抑制剤(リウマトレックス、タクロリムス)が併用されます。

成人スティル病の経過

経過は3つの形があります。
第一に、一時的な症状はでるものの、自然とよくなるタイプ(30~40%)、第二に、高熱で発症して一時軽快してもぶり返すタイプ(30~40%)、第三に、高熱や強い関節炎は収まるものの、関節炎そのものが残るタイプ(20~30%)です。
もっとも軽いタイプでは治療が早く終わりますが、ぶり返すタイプは、治療薬の減量によって再発する可能性が高いです。
細菌やウイルスの感染症によって、発症したり悪化するケースがあります。
したがって、日常生活では、できるだけ感染症にかからないように注意してください。
外出後の手洗いやうがいの励行、体調の維持、バランスのよい食事なども大切です。
アレルギーなどがない限りは、インフルエンザワクチン接種を受けてください。

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