*

補体とは

公開日: : 最終更新日:2016/03/03 免疫


特定の細菌に対して、免疫を保持した人間の血清を混ぜると細菌がこわれてしまいます。
ところが、この血清を56℃の温度で30分前後処理すると、そこから細菌の破壊はとまります。
免疫を保持しない、つまり抗体をもたない人間の血清をそれに混ぜると、細菌の破壊は再開されます。

抗体をもたない血清は、そもそも細菌をこわす働きをもっていません。
この事実は、細菌をこわすために抗体以外に熱を弱点とするなんらかの物質が存在することからも明らかだと言えるでしょう。
こういった経緯で発見されたのが、補体です。
補体は抗体の働きを補う働きをもちます。

補体は肝臓によってつくられ、血液中に流れます。
補体が活発な状態となることで、抗体の働きは高まります。
補体にはさまざまな種類があり、名前がついているのは9つです。
補体は英語表記ではcomplementとなるので、その頭文字をとってそれぞれの種類をC1、C2、C3といったように呼びます。

補体はさまざまな働きをもち、食細胞による病原菌の食作用を促す、病原菌の細胞膜に孔を空けるといった、病原菌の撃退にも大切な役割をもっています。
抗体が抗原に結びつくと、たんぱく質が活発な状態となります。
C1が活発な状態となると、つづいてC4、C2、C3、C5、C6、C9といった流れで段階的に活性化していきます。

そして、補体のC3がC3aとC3bの2種類に分解され、C5もC5aとC5bに分解します。
抗体が抗原に働きかけてマクロファージが作用しやすくするように、C3bも抗原に働きかけてマクロファージに作用しやすくします。
また、C3aやC5aは炎症性白血球を集合させる伝令者として作用します。
そして、反応の終局として、抗原に孔を空けるC9複合体が完成されます。
そういった作用をもって、抗体は抗原を撃退されることができるのです。
体の内部で抗原抗体反応が続々と発生すると、補体もそれだけ多く消費されてしまいます。

スポンサーリンク

関連記事

笑いと免疫力アップの関係とは?

テレビを見たり、本を読んだりなど、毎日一度は声を出して笑うことがあるでしょう。 この、毎日笑う

記事を読む

免疫グロブリン製剤の働き・取り方・副作用・代表的な製剤などについて

人間の体は血漿成分によってさまざまな脅威から保護されており、それを抗体もしくは免疫グロブリンと呼

記事を読む

加齢と免疫力アップの関係とは?

年齢を重ねるごとに、病気にかかりやすくなっている。 そう感じる人は少なくないでしょう。 そう

記事を読む

爪もみで免疫力アップ!即効で効果ありの方法です

食事など普段の生活を改善することで免疫力をアップできますが、仕事やプライベートが忙しいとつい不規

記事を読む

お風呂と免疫力アップの関係とは?

ゆっくりと湯船に浸かって、数を100まで数える。 こんな風にたっぷりと入浴時間を取っている人は

記事を読む

風邪の発熱とサイトカインの関係

風邪にはさまざまな症状がありますが、風邪を引いて発熱するというのは珍しいことではありません。

記事を読む

B細胞と抗体による体液性免疫

免疫には抗体が関係する体液性免疫、そして抗体が関係しない細胞性免疫の2つがあります。 ここでは

記事を読む

ヘルパーTh17細胞とは

ヘルパーTh17細胞というのは、白血球のひとつであるヘルパーT細胞のサブセットです。 比較的最

記事を読む

睡眠と免疫力アップの関係とは?

あらゆる病気の勝つための、体内でのはたらきが「免疫」です。 この免疫は、少しの生活習慣の変化で

記事を読む

自然免疫と適応免疫

免疫にはいくつか種類があり、自然免疫と適応免疫も免疫のひとつに数えられます。 これらはそれぞれ

記事を読む

グッドパスチャー症候群を詳細に:原因,症状,検査,治療など

グッドパスチャー症候群(ぐっどぱすちゃーしょうこうぐ

B細胞と抗体による体液性免疫

免疫には抗体が関係する体液性免疫、そして抗体が関係しない

免疫グロブリン製剤の働き・取り方・副作用・代表的な製剤などについて

人間の体は血漿成分によってさまざまな脅威から保護されてお

リンパ組織とは

生体防御のなかで重要な役割を果たすものをリンパ球といい、

自然免疫と適応免疫

免疫にはいくつか種類があり、自然免疫と適応免疫も免疫のひ

→もっと見る

PAGE TOP ↑