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T細胞が主役の細胞性免疫

公開日: : 最終更新日:2016/02/13 免疫


なんらかの病気や怪我の治療のために、移植という方法が選択されることがあります。
移植には2つの種類があります。
ひとつは自分の体の一部を切除してほかの部位に移植するもので、靱帯を切断したさいなどにはこの方法が用いられることが多いでしょう。
もうひとつが、自分以外のほかの人の体の一部を自分の体に移植するというもので、臓器を移植する場合に選択されます。

自分の体にあったものを移植する場合は、拒否反応が起こることはありません。
しかし、ほかの人の臓器などを自分に移植するケースでは、うまく適合しなければ体は拒否反応を起こします。
これは、細胞性免疫の働きによって起こる現象です。

体になんらかの異物が侵入しようとすることが感知されると、マクロファージがこれをとらえようとします。
これは体液性免疫と同様の反応と言えます。
マクロファージによってとらえられると、その情報が分析され、ヘルパーT細胞へと内容が伝達されます。
ここまでの流れは体液性免疫とのちがいはありません。

必要な情報を受け取ったヘルパーT細胞は、リンパ球とキラーT細胞が増加するように指令を出します。
リンパ球はリホカインと呼ばれる物質を生成しますが、この物質はマクロファージを活性化させる働きをもちます。
キラーT細胞は体を構成する細胞とは異なると認識する異物に対して、拒否反応を起こします。
この拒否反応というのが、内臓移植などによって生じる拒否反応のことです。

細胞性免疫は臓器移植の際の拒否反応だけにみられる作用ではありません。
がん細胞の溶解などの働きをもつため、体にとっては必要な仕組みだと言えます。
細胞性免疫の仕組みのなかで活性化されたヘルパーT細胞はマクロファージの集合を促進して、食作用によって抗原を取り除こうと働きます。
ヘルパーT細胞やキラー細胞は、そのあと面機記憶細胞として残存することになるので、細胞性免疫でも二次的反応が起こる場合があります。

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