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抗ヒスタミン薬の働き・とり方・副作用・代表的な製剤などについて

公開日: : 最終更新日:2016/02/28 免疫


温熱や寒冷、薬、食物などさまざまな物理的刺激がきっかけとなって、皮膚組織内に存在する肥満細胞からヒスタミンと呼ばれる物質が分泌されます。
このヒスタミンという物質によってかゆみが生じ、一時的な皮膚の腫れといった症状が引き起こされます。
抗ヒスタミン薬というのは、このヒスタミンの働きをやわらげ、症状を軽減するための薬です。
抗ヒスタミンは第1世代と第2世代に大別することができます。

第1世代は昔から用いられる薬で、強い抗ヒスタミン作用をもちます。
しかし眠気などの副作用があらわれやすいという欠点もあります。
薬の成分が脳に移行して脳内でのヒスタミンの働きを止めるため、集中力や活動力の低下、それによって起こる眠気といった副作用が起こります。
そのため危険な作業がともなう仕事についている人、車の運転をする人は服用に気をつけなければいけません。
また、緑内障や前立腺肥大症などを発症していると、基本的には使用を控える必要があります。
妊娠中の女性には確かな安全性が照明されているポララミンが使用されます。

第2世代は抗ヒスタミン作用が主な働きですが、さまざまな抗アレルギー作用ももつため、気管支喘息の予防薬に用いられることがあります。
代表的なものとしては、ザジデン・アゼプチン・セルテクト・ニポラジン・トリルダンなどの製剤が挙げられます。
第1世代の抗ヒスタミン薬と比較して、成分が脳へ移行しにくいと言われています。
そのため、新しいものは口の渇きや眠気といった副作用が起こりにくく、長期内服に適しています。
たとえば、誘因や原因がはっきりしない特発性蕁麻疹の場合は、第2世代の抗ヒスタミン薬を用いるのが一般的です。
急性型の場合は数日~1週間ほど、抗ヒスタミン薬によって皮疹が改善されてもしばらくは予防を目的として内服をつづけます。
慢性型の場合は内服を継続することで症状をあらわれにくくし、薬の服用間隔を長くすることで服用量を減らしていくのが一般的です。
ひとつの薬で効果があらわれにくい人に向けては、増量あるいはほかの薬にかえることで対応します。

第2世代の抗ヒスタミン薬の副作用はある程度抑えられていますが、薬の種類によってその程度は変わってきます。
副作用のなかでもっとも多くみられると言われているのが強い眠気ですが、この眠気は薬が強ければ強いほど顕著にみられると言われています。
しかし、最近は薬の強さを維持しつつ、副作用が起こりにくくしたものも開発されているので、そういったタイプを選んで治療するという人も増えています。

抗ヒスタミン薬はさまざまな治療で用いられますが、そのひとつがアトピー性皮膚炎です。
アトピー性皮膚炎は強いかゆみをともないますが、そのかゆみを抑制するのに抗ヒスタミン薬は効果があると言われています。
患者が実際に使用してその効果や副作用を調べる臨床試験で、抗ヒスタミン薬はその対象となっています。
その臨床実験ではプラセボ、つまり有効成分が含まれない治療効果のない薬を用いて、二重盲検法が行われました。
この二重盲検法は、処方した医師も患者も実薬である抗ヒスタミン薬を飲んでいるのか、比較対象のプラセボの薬を内服しているのか把握していない状態でその効果や副作用を調べるというものです。
この最高の臨床試験によって抗ヒスタミン薬は調べられ、慢性蕁麻疹に対するしっかりとした効果が証明されたのが抗ヒスタミン薬です。

このように慢性蕁麻疹に対する抗ヒスタミン薬の有効性は証明されていましたが、アトピー性皮膚炎の臨床試験は二重盲検法ではなく、二重盲検法が実施されても症例数がごくわずかであるなど、その有用性には疑問がもたれていました。
しかし、さまざまな試験が多くの施設で行われたことで、その有用性は確実視されるようになったのです。
かゆみの程度を点数であらわす検査でも、かゆみが十分に改善されていることがしっかり実証されています。

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