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ステロイドとは?

公開日: : ステロイド

ステロイドは体内にあるホルモン

ステロイドは、本来は私たちの体の中の、「副腎」(ふくじん)という器官で産生されるホルモンです。
副腎は、腎臓の上にあるくるみほどの小さな器官で、生命に必要なホルモンを合成しています。

副腎には、「皮」と「実」の部分があり、「皮」の部分を「副腎皮質」(ふくじんひしつ)、「実」の部分を「副腎髄質」(ふくじんずいしつ)と言います。
ステロイドは、副腎皮質がら作られるため、「副腎皮質ホルモン」とも言われます。

ヒトでは、このホルモンはコルチゾールといわれ、体の恒常性を維持し、ストレスに対抗する働きをしています。
ステロイドホルモンには、「糖質コルチコイド」と「鉱質コルチコイド」の2種類がありますが、このうち、糖質コルチコイドの作用を持ったステロイドを、化学的に合成したモノが副腎皮質ステロイド薬です。
一般に、「治療にステロイドを使う」という場合には、この薬を指します。

ステロイドは戦争のドービングで生まれた

ステロイドが合成されたきっかけは、第二次世界大戦です。
兵士の戦闘能力を高め、夜間でも戦えるようにするためのドーピングです。
アメリカとドイツが、副腎皮質ホルモンの抽出と精製にしのぎを削り、結果としてはアメリカのメルク研究所がステロイドの大量生産に取り掛かりました。

結局、実際に使われる前に戦争が終わったので、ドーピングは行われずに済みました。
その後、ステロイドが関節リウマチに有効であることがわかり、「夢の治療薬」ともてはやされましたが、その後、ステロイドはリウマチの進行によってもたらされる関節の症状には有用性を示さないことがわかりました。

現在では、関節リウマチの治療には、ステロイドだけが用いられることはなくなり、抗リウマチ薬の補助として使われるようになっています。

ステロイド薬の作用

ステロイドは、全身のあらゆる細胞に作用することができます。
その中で最も注目されているのが、ステロイドの持つ抗炎症作用と免疫抑制作用です。

炎症にかかわる物質の産生を抑えることができるため、炎症を引き起こす様々な病気に効果を発揮します。
また、免疫が働きすぎることで引き起こさる病気を治療することができます。

その代わり、糖の代謝、脂質の代謝、骨の代謝にも作用するため、糖尿病や高脂血症、骨粗しょう症などを副作用として引き起こしてしまいます。
また、体内のミネラルの代謝に影響を与えて、高血圧を引き起こすこともあります。

ステロイドの種類

ステロイドには様々な種類・用量がありますが、最もよく使われているのはプレドニゾロン(商品名プレドニン)です。
プレドニゾロン換算で、1日5mgのホルモンが私たち自信の副腎から作られています。

そのほか、メチルプレドニゾロン(メドロール)。デキサメタタゾン(デカドロン)、ベタメタゾン(リンデロン)などが知られています。
いずれも、一錠中のステロイドの量はほぼ同じで、1mgの小さな錠剤もあります。

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