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ステロイド注射:使うケース、特徴、副作用

公開日: : ステロイド

花粉症の場合

基本的に、「注射一本で花粉症が治る」ということはありません。
日本耳鼻科学会と日本アレルギー学会によると、花粉症の治療でステロイド注射(ケナコルトA)を用いることは推奨されない治療法とされています。

花粉症でも重症の場合は大変苦しいため、なんとか簡単に抑えたいという気持ちはわかりますが、それでも安易なステロイド注射は避けるべきです。
花粉症のステロイド注射は、体内に薬が止まる時間が長く、長期間効き続ける特徴があります。

たしかに、シーズンに注射一本で症状から解放されるという手軽さはありますが、もし副作用が出た場合、それを取り除くことができません。
内服薬の場合では、副作用に応じて飲む量を調節したり、中止したりすることはできますが、注射でステロイドを体内に取り込んだ場合、それができません。

副作用は、内服した場合と同じく全身に現れます。
感染症にかかりやすくなりますし、糖尿病になりやすくなるのも、内服と同じ副作用です。
女性の場合は月経異常があらわれる場合もあります。

皮下注射箇所の筋肉が萎縮したり、陥没したりする頻度も多く見られます。
また、厚生労働省のホームページによりますと、花粉症のステロイド注射による満足度は他の治療法に比べて低値なうえ、副作用に関して説明をきちんと受けていた人は40.6%にすぎませんでした。

要は、噂ほどは聞かないし、副作用のリスクのほうがよっぽど高いということです。
それでももし、ステロイド注射を受けたい場合は、十分なインフォームドコンセントを得る必要があり、十分に納得したうえで受けてください。

すでに、内服薬も眠くなる抗ヒスタミン剤だけでなく、抗ロイコトリエン薬など、眠気が少なく効果が高いものがたくさん出ており、また、減感作療法といって、アレルゲンを少しずつ摂取することで、アレルギーを減らす安全な方法も出ています。

花粉症でステロイド注射をしなければならない場合は極めてまれだということを覚えておきましょう。

腱鞘炎などの場合

腱鞘炎やテニス肘がひどい場合、炎症を起こしている腱鞘その部分にステロイド注射をうつ治療法があります。
人によっては劇的に効く場合もあります。

炎症を起こしている腱と腱鞘の間に直接注射するので、注射そのものが高度な技術を要するうえ、かなり痛みがあります。
特に急性の腱鞘にもちいられますが、これは、ステロイドが抗炎症作用を持つことを利用したものです。

ただし、あくまでもこれは補助的な療法ですので、腱鞘炎を根本的に解消するものではありません。
大切な演奏会まえのピアニストなどの患者などに用いられることがあるようです。
ただし、無制限にステロイド注射が打てるわけではなく、回数には制限があります。

喘息の発作の場合

救急車を呼ばなければならないほどの重度な発作の場合、ステロイド注射や点滴が使用されます。
ほかの薬が効かない場合に用いられることが多く、ステロイドと気管支拡張剤を点滴で用います。

喘息の発作はひどければ窒息死することもあり、速やかに効く注射が用いられます。

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