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乾癬とはどんな病気? 乾癬の基礎知識

公開日: : 最終更新日:2015/11/25 未分類

乾癬ってどんな病気なの?

乾癬は皮膚の病気のひとつで、時間の経過にともなって患部の状態は変化します。
この乾癬はどういった病気なのでしょうか。

乾癬の概要

乾癬は慢性的な皮膚病のひとつで、紅斑と呼ばれる皮膚が赤く盛り上がるのが主な症状として知られています。
この症状は乾癬を発症したほとんどの患者に見られます。
紅斑の大きさや形状、数は人によって異なり、発疹が癒合して大きな病変が見られるケースもあります。

日常的に頻繁に動かすことが多い下腿伸側、肘、膝、臀部に特に生じやすく、非常にやっかいな症状だと言われています。
その紅斑は少しずつ表面が変化し、鱗屑と呼ばれる銀白色のカサブタに覆われます。
そしてそれがフケが落ちるように少しずつ剥がれる落屑という症状に変化します。

乾癬はいくつかの種類に分類することができますが、もっとも多いのが尋常性乾癬というものです。
この尋常性というのは、「普通」あるいは「ありふれた」といった意味をもち、尋常性乾癬は乾癬のなかでもっとも一般的だということをあらわしています。

乾癬の発症割合について

乾癬は日本だけでなく世界各地で見られる病気で、患者者数は欧米で人口の2~3%といわれています。
世界的に見ると、欧米白人の発症率が高いとされています。

日本国内では以前はほとんど見られませんでしたが、近年増加傾向にあります。
その理由としては、現代社会におけるストレスの増加、食生活を中心とした生活習慣の変化などが背景にあると考えられています。

現在では発症者が増え、決して珍しい病気とは言えなくなってきました。
日本にはおよそ10万~20万人の患者が存在すると言われ、500~1000人にひとりの割合で発症するとされています。

発症時期は思春期以降、もしくは中年期以降が多く、日本国内では男性のほうが発症者が多いことがわかっています。
しかし、世界的に見ると男女のへだたりはあまりなく、必ずしも男性が多いとは限りません。
女性の場合は10代と50代に発症しやすいことがわかっています。

乾癬の原因

乾癬は慢性的な皮膚病のひとつで、世界的にはもちろん日本国内でも発症者が確認される病気です。
乾癬はなにが原因で起きてしまうのでしょうか。

乾癬の原因

乾癬の原因ははっきりと解明されていないというのが現状ですが、遺伝的要素が関係しているのではないかと推定されています。
患者のなかには血縁関係にある家族に乾癬が確認されることがあり、体質が発症となんらかの形で関わっているのではないかと考えられます。
特に欧米では家庭内発症する確率がかなり高く、なんらかの関係があるのではと言われています。

しかし、日本国内の調査では家族のなかに乾癬がいる人の割合はごくわずかで、遺伝的関連を疑問視する声も聞かれます。
現在は遺伝的要因に加えて、特殊な薬剤や感染症、肥満、ストレス、不規則な生活や食生活などの環境的要因によって乾癬は生じるのではないかと考えられています。

もともと乾癬は欧米人によく見られる皮膚病だったため、食生活の欧米化が日本国内での発症者の増加に関連しているのではないかと言われています。
また、乾癬は細菌やウイルスによって起こる病気ではないので、人から人へ感染することはありません。

乾癬が発症するメカニズム

表皮と呼ばれる皮膚の1番外側にある薄くて丈夫な層は、外部からのウイルスや細菌などが体内に入り込むのを防ぐ役割を担っています。
健康上問題のない皮膚は表皮細胞がおよそ45日のサイクルで新しいものに生まれ変わりますが、乾癬を発症するとサイクルが極端に短くなり、角化細胞が鱗屑と重なってしまい、蓄積したのちに剥がれ落ちます。

また、白血球などの血液成分やTNFαという炎症を誘発する体内物質が増加することで、皮膚が赤く腫れたりかゆみが起こったりすると言われています。
TNFαというのは炎症に関わる体内物質のひとつで、乾癬では特にこの影響が大きいとされています。
こういった物質はサイトカインと一般的に呼ばれ、少しの量でも人間の体に大きな影響を及ぼすということがわかっています。

TNFαはそれそのものが炎症を起こす直接的な働き、そして炎症を起こすほかのサイトカインの生成を促進する間接的な働きの2つの作用があります。
こういった作用があることから、炎症の大元のように考えられている物質でもあります。
乾癬の症状があらわれている箇所では、このTNFαはたくさん生成されています。
このTNFαが炎症状態を引き起こし、皮膚や関節にさまざまな症状があらわれます。

近年の研究によって乾癬が起こった人の患部では、表皮のトラブルにとどまらず、免疫系にも異常が起こっていることが判明しました。
免疫というのは、人間の体をウイルスや細菌などの異物から保護するための仕組みです。
なんらかの原因によってこの仕組みがうまく働かなくなると、体を守るための仕組みが自分の体を攻撃してしまうことがあります。
それが原因となって炎症や病気が起こるということがあるのです。

免疫系になんらかの問題がある人、弱い体質の人は通常よりもかかりやすいので、十分に注意する必要があります。
発疹は体のあらゆる場所に生じますが、刺激を受けやすい場所、もしくは日光に当たりにくい箇所にあらわれやすい傾向にあります。
腰まわりや膝、肘、髪の生え際、頭皮などは特に症状があらわれやすいため、注意が必要です。

頭部や髪の生え際は毛髪によって皮膚がこすれ刺激を受けるために、症状があらわれやすいとされています。
そういった特徴から、乾癬の症状の出始めはほとんどが頭皮です。
しかし、乾癬と自覚することは少なく、多くの人が乾癬に発症したとは思わないようです。

頭部からのフケが増加し、頭のかゆみが生じた時点で気づく人が大半です。
頭皮意外にも腰やお尻、膝など刺激を受けやすい部位から、症状が出始めるという人も少なくありません。
いずれにしても、乾癬は放っておくと悪化する恐れのある病気なので、早めに対処したほうがいいでしょう。

乾癬と肥満やストレスの関係

乾癬には悪化要因がいくつかありますが、そのひとつがストレスだと言われています。
乾癬とストレスにはどういった関係があるのでしょう。

皮膚疾患とストレス

ストレスは自律神経との関係が深く、そのバランスに乱れが生じると頭部や脇の下、足の裏、手など特定の部位に局所的多汗症が起こることがあります。局所的にたくさんの汗をかくことから、湿疹などの肌トラブルが通常時よりもあらわれやすくなります。
汗をかくとその部分がかゆくなるので、ついつい強く掻きむしってしまうことがあります。
そのことでさらに皮膚がダメージを負って、肌トラブルが悪化するケースが見られます。

皮膚はもともと心理的要因があらわれやすい箇所だと言われています。
ストレスによって顔面蒼白が起こる、冷や汗をかく、赤面するといった皮膚への症状があらわれることは珍しいことではありません。
ストレスと皮膚疾患は切っても切り離せない密接な関係にあり、皮膚疾患の予防や改善のためにはストレスを減らす生活が重要となります。

ストレスによる乾癬への影響

乾癬にとって季節の変化は悪化要因のひとつですが、それと同じくらい重要視すべきなのがストレスだと言われています。
家庭内でのなんらかのトラブル、対人関係での悩み、仕事関連での悩みなどさまざまなストレス要因によって、乾癬の発症あるいは悪化は起こるとされています。

乾癬はかゆみをともなうケースもあるため、それに対する長期間のストレスによって症状がさらに悪化するという悪循環も起こる場合があるので、注意しなければいけません。
ストレスによって副腎皮質ホルモンの分泌が活発となると、体がもつ免疫機能が低下しやすくなります。
そのため、乾癬が発症・悪化しやすくなると考えられています。

ストレスの多い現代社会で、ストレスを完全に遮断することはむずかしいですが、うまくストレスとつきあっていくことが大切です。
日頃からリラックスできる時間を設けたり、趣味に打ち込んでリフレッシュしたりしてストレスを解消していくようにしましょう。

日本と海外の発症率とその推察

日本では、欧米などの諸外国と比べて乾癬の発症率が低いとされています。
それにはなんらかの理由が考えられるのでしょうか。

日本での乾癬発症率の推移

乾癬はもともと欧米でよく見られる病気で、欧米をはじめとする諸外国では広く認知されています。
一方、日本での感染者は以前はほとんどいませんでした。

しかし、戦後を境にその患者者数は増加の一途をたどっています。
とはいえ、現在でも欧米と比べれば乾癬にかかる日本人はごくわずかで、その認知度も高いとは言えません。
いまだに感染するのではないかと勘違いされることも多く、発症者が避けられることも少なくありません。

日本と欧米で発症率が異なる原因

なぜ日本と欧米で発症率にちがいが見られるのかはっきりしたことはわかりませんが、欧米人の食生活の中心であるブタや牛などの肉類が一因ではないかと言われています。
肉類は戦時中、あるいは戦前には食卓に並ぶことは珍しく、その食生活は野菜や魚が中心でした。
その頃の日本では乾癬を発症する人はごくまれで、ほとんど見られなかったことから肉食が一因ではないかと考えられるのです。

また、生魚を食べることの多いイヌイットの人々は、乾癬が発症しにくいということも言われています。
そういったことから、肉食中心の食生活によって高脂血症が起こりやすくなり、それによって乾癬が誘発されるのではないかと推定できるのです。
糖尿病や高脂血症の患者が西洋型の食事から和食に変えると、状態が改善することはよく知られています。

乾癬も同様に、食生活を変えることで症状が治まることがあると一般的に言われています。
肉を食べないようにしたら、急激に症状が治まったという人もなかにはおり、食生活と乾癬の関係はやはり重要視すべきだと言えます。
もちろん、個人差はありますが、乾癬と食生活は密接な関係性があることはまちがいないので、予防や改善のためには偏った食生活は避けるべきだと言えるでしょう。

乾癬とアトピーの違い

乾癬に近い症状があらわれる疾患として、アトピー性皮膚炎があります。
しかし、症状は似ているものの、これらはまったく別の疾患です。
その違いとはどこにあるのでしょうか。

乾癬とアトピー性皮膚炎の共通点

乾癬とアトピー性皮膚炎は両者ともに体質との関連が深く、免疫反応に異常が生じることで起きるという点が共通しています。
人間の体は外部からのウイルスや細菌に対抗するために、免疫機能が働きます。
しかし、なんらかの原因で免疫機能に問題が生じると、自分の体を攻撃してしまうことがあります。

そして、自己免疫疾患という状態となります。
乾癬もアトピー性皮膚炎も、症状のあらわれ方に差はあるものの、両者ともにそれによって起こる症状と言われています。
また、皮膚湿疹ができ慢性化しやすい点も両者は似ていますし、長期にわたって治療が必要な点も共通点だと言えるでしょう。

乾癬とアトピー性皮膚炎のちがい

アトピー性皮膚炎と乾癬は似ている病気ではありますが、異なる点もあります。
アトピー性皮膚炎の特徴と言えば強いかゆみですが、乾癬の場合はかゆみを感じるかどうかは人によってちがいます。

また、乾癬は頭皮や肘、膝など外部からの刺激を受けやすい場所に症状があらわれやすいですが、アトピー性皮膚炎の場合は体のなかでやわらかい場所にあらわれやすい傾向にあります。
乾癬によって生じる湿疹は左右非対称であらわれることが多いですが、アトピー性皮膚炎の場合は左右対称に出ることが多いというのも異なる点です。
乾癬とアトピー性皮膚炎はこのようにいくつかの違いがありますが、なかなか判断がむずかしいケースがあります。

正確な治療をほどこし症状を改善するためには、まずはあらわれている症状がなにによるものなのか判断することが大切です。
専門医に相談し、しかるべき検査を行ってまずは的確な診断を受ける必要があります。
自己判断でまちがった治療をしたり、放って置いたりすることはよくないので、必ず医師に相談しましょう。

乾癬と疥癬の違い

乾癬(かんせん)と疥癬(かいせん)は読み方が似ていること、どちらも皮膚疾患という共通点から、しばしば混同されがちです。
しかし、両者はちがった病気なので、それぞれの特徴をよく理解し、異なる疾患だと言うことを知っておくことが大切です。
ここでは両者のちがいについて見ていきます。

乾癬への誤解

疥癬は人から移ることがある病気ですが、乾癬の場合は通常は人への感染がありません。
しかし、疥癬とイメージが混同されていること、皮膚が剥がれ落ちて飛散されることから、感染すると勘違いしている人は実は少なからずいます。

そのため、周囲の人たちの偏見から、患者が傷つくといったこともしばしばあるようです。
そのストレスから、余計に症状が悪化してしまうこともあるので、周囲の人への病気の周知もひとつの課題と言えます。

乾癬と疥癬のちがい

疥癬はヒゼンダニによる感染によって引き起こされる感染症です。
このダニは古くから世界各地で見られる種類で、人間の皮膚のもっとも外側に位置する角質層に寄生します。
乾癬とちがって、人から人へと感染するため、高齢者施設や養護施設など、集団で生活する施設で集団感染することが多い感染症です。
たくさんのダニの寄生が見られる角化型疥癬(痂皮型疥癬)、そして寄生自体は少ないものの強いかゆみが生じる疥癬(通常疥癬)に分類することができます。

乾癬と疥癬ともに赤い湿疹が見られるため、混同されがちですが、両者は発症経緯がまったく異なる病気です。
乾癬はかゆみがともなう場合もあれば、かゆみがない場合もありますが、疥癬の多くは強いかゆみをともないます。

また、疥癬で見られる皮疹は小隆起性茶色調、曲がりくねった線状疹という特徴をもち、乾癬のそれとは異なります。
このように疥癬と乾癬はまったく異なる病気と言えます。
そのため当然ながら治療方法も異なるので、正確な診断を受けたうえでそれぞれの症状に合った治療を進めていくことが大切となります。

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