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食べ物:抗原(アレルゲン)の特徴や対策

公開日: : 最終更新日:2015/10/28 抗原


特定の食べ物を食すとなんらかのアレルギーが起こることがあり、それを食物アレルギー、原因となる食べ物を食餌性アレルゲンと呼びます。
アレルゲンにはさまざまなものがありますが、特にアレルギーが出やすいと言われているのが大豆や卵、牛乳などの食品です。

ここではそれらの食品を中心に、食物アレルギーについて解説していきます。

大豆アレルギー

大豆アレルギーは以前は牛乳や卵と同じくらいアレルギー症状が出やすい食べ物として知られていましたが、実際に大豆アレルギーを発症する人は比較的少ないとされています。

以前は油料理やスナック菓子を多く食すと湿疹が重症化する人が多く、その原因は大豆油が有するアレルゲン性だと言われてきました。
しかし、症状が悪化する原因の多くはリノール酸を多く摂りすぎたこと、酸化した油を摂取したことだと考えられます。

それはアレルギー反応とは別のもので、コーン油や菜種油などさまざまな食用油にも見られる問題です。
また、味噌や醤油に代表されるように、長期間にわたって発酵させた食品の場合、アレルゲン活性は大きく下がることもわかっています。

豆腐は大豆食品として有名ですが、つくるときにたんぱく質が変性することで、大豆自体や豆乳ともアレルゲン性が変化している可能性も指摘されています。
きなこや煮豆、枝豆など大豆食品は多くありますが、調理過程で大豆のアレルゲン性が変化することはまだはっきりとわかっていないというのが現状です。

各食品に関して、負荷試験で反応性を調べるとともに、どの程度除去するべきなのか明確な答えは出にくいと言えるでしょう。
大豆アレルギーを保持する人が、小豆や空豆などのほかの豆類の影響は受けないのかどうかという点も、まだよくわかっていません。

近年、豆乳を飲む人が増えたことによって、アレルギー反応が起こす人も増加傾向にありますが、典型的な大豆アレルギーを起こす人はそれほど多くないとされています。

鶏卵アレルギー

鶏卵アレルギーの多くは卵白に含まれるたんぱく成分によって起こるとされています。
卵に含まれるアレルゲンは加熱することで大幅に変化し、温度が高く長時間熱するほどアレルギー症状のリスクは減ると言われています。

アレルギーの原因とされるオボムコイドと呼ばれるたんぱくは、水溶性の性質をもちます。
そのため、たとえばかき玉汁などで卵部分を避けて汁だけ飲んだとしても、アレルギーは起こりえます。

マヨネーズには生卵と同じ扱いが必要で、ババロアやプリンに使用される卵も加熱が十分とは言えません。
また、鶏肉は鶏卵アレルギーとは無関係なため、鶏肉は普通に食べて問題ないでしょう。

ウズラの卵によってアレルギーが起こるかは人に寄りますが、鶏卵アレルギーを保持する人のおよそ半数がウズラの卵にもアレルギー反応を起こすと言われています。
卵はさまざまな食品に含まれているので、表示をきちんと確認することが大切です。

牛乳アレルギー

牛乳に含まれるアレルゲンは加熱しても、ほとんど威力が衰えることはありません。
牛乳アレルギーを保持する人は山羊や羊の乳にも反応を示すことがありますが、豆乳は問題ありません。
牛乳を食生活から取り除くと、カルシウムが欠乏しやすくなります。

小魚などほかの食品からカルシウムを摂取するようにして、欠乏しないよう気をつける必要があります。
牛乳の成分は加工品に使用されることがありますが、どれくらいの割合で含まれているかが重要で、加熱や発酵などの処理方法はあまり問題になりません。

牛乳成分はさまざまな食品に含まれるため、完全に取り除くためには、原材料表示をきちんと確認することが大切となります。
食品だけでなく、調整剤などの医薬品にも用いられることがあるので、注意が必要です。

ミルクアレルギーの乳児の場合は、厚生労働省から認可された治療乳があるので、それを飲ませるようにするといいでしょう。
成長してからもこういったミルクは料理に使用することができます。

食物アレルギーの症状

アレルギーが起きやすいと言われる食物以外にも、さまざまな食物が原因となってアレルギー症状は起きます。
主なものとしては、豆類や果物、えびやかになどの甲殻類、そば、ピーナッツなどです。
どの食物によってアレルギーが起こるのかは、年齢によって大きく変わってきます。

乳幼児では小麦や牛乳、鶏卵で起こることが多いですが、学童期以降になると小麦や果物類、甲殻類などが増えてきます。
症状も人によって、あるいは食物によって変わりますが、よくあらわれるのが皮膚症状です。
赤みやかゆみ、じんましんといった皮膚症状は、多くの食物アレルギー患者に確認されています。

皮膚症状につづいて多いのが呼吸器系の症状で、呼吸困難や咳、くしゃみなどが起こります。
吐き気や嘔吐、腹痛といった症状があらわれることもあり、その程度は人によって異なります。
アナフィラキシーと呼ばれる、いくつかの臓器症状が全身にあらわれるケースもあります。

さまざまな症状があらわれますが、特に低血圧、それによって起こる意識消失などは生命を脅かすような重篤な症状と言えます。
食物アレルギーを予防するためには、まずはアレルギーを起こる原因となる食物を特定することが重要となります。

食事のあとに何度も異変を感じるようなら、アレルギー症状が起きている恐れがあるので医療機関で診察を受けるようにしましょう。
医療機関では家族歴やアレルギー症状があらわれたときの状態、食習慣などについて詳しく聞かれます。

できるだけ早くアレルゲンを特定するためには、日々なにを食べてどんなときに異変を感じたか記録を取っておくことが望ましいでしょう。
アレルゲンが特定できたら、医師の指示に従ってアレルゲンが含まれる食品を食べない「食物除去」という方法を実践することになります。
栄養の問題があるので、食物除去は最低限の範囲で行うことが必要となります。

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