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真菌(カビ):抗原(アレルゲン)の特徴や対策

公開日: : 最終更新日:2015/11/09 抗原


アレルゲンにはさまざまなものがありますが、真菌もそのひとつです。
真菌とはカビの一種で、特に真菌の一種であるアルテルナリアはアレルギーの要因になりやすいことがよく知られています。

アルテルナリアとは

アルテルナリアは黒色真菌に属するもので、ススカビ属とも言われています。
植物源病菌や土壌菌として知られており、自然界に広く分布しています。
特に干し草や枯れ草、枯れ葉、穀類、果実に多く見られ、餅などの食品や古紙、古本、家屋の壁といった、わたしたちにとって身近なものにも生息しています。

また、アルテルナリアは同じ黒色真菌であるクラドスポリウムとともに、空中浮遊真菌でもあります。
そのため、体内に入り込みやすく、アレルギーの原因になりやすいという特徴があります。
気管支喘息やアレルギー性鼻炎の原因となることも多く、注意が必要な菌だと言えます。

アルテルナリアはアレルギーだけでなく、深部皮膚真菌症や骨髄炎、副鼻腔炎、角膜炎などの発症に影響するとも言われています。
この真菌の表面は小さな棘が無数にあり、下気道などに入り込んだときにこれらの棘が食い込み、排除されにくいと言われています。

カビとアレルギー

アレルギーを保持している人や肌が弱い人にとって、カビはダニ以上にやっかいだと言われています。
カビが生息可能な温度範囲はとても広く、氷点下や沸点に近い90度といった過酷な環境でも生き続けるものもいます。
細菌は加熱によって消滅しますが、カビは加熱にも強く、空気が乾燥すると胞子の状態で休眠することができます。

その特徴はウイルスに近く、非常にやっかいなものだと言えます。
その種類も多く、地球上で存在が認められるものだけでもおよそ7万種生息していると言われています。
住宅内にもほこりカビや黒カビ、青カビなどが360種類ほどが居着き、それらが放った胞子が空気中を漂っています。

近年は高気密住宅が増え、空気のよどみが生じやすく、さらに高温多湿な環境になりやすいことから、カビは繁殖しやすくなったと言われています。
エアコンの使用、あるいは壁面に生じた結露はカビの温床となりやすく、気をつけていないとどんどん繁殖がつづいてしまいます。

カビは住宅内のさまざまな場所に真菌株の集合体を形成するため、こまめに取り除く必要があります。
カビが胞子状となると口や鼻を介して、体内に入り込むことがあります。
それがアレルゲンとなって、さまざまな症状や病気を発生させます。

特になりやすいのがアレルギー性結膜炎やアトピー性皮膚炎、アレルギー性喘息などのアレルギー症状です。
日本人の多くが目鼻や呼吸器、皮膚になんらかのアレルギー症状が見られると言われています。
その多くがダニやカビが原因とも言われ、深刻な問題だと言われているのです。

カビはアレルギー症状だけでなく、病気を引き起こす原因ともなり得ます。
なかでも肺アスペルギルス症は重篤な疾患で、カビが肺に入り込むことで起こり、いったん侵入したカビはなかなか排除できません。

室内にカビが増殖することで、アレルギーを保持した人は皮膚に付着しただけで接触性皮膚炎やアトピー性皮膚炎を発症しやすくなることがわかっています。
さらに、トリコフィトンやカンジダ、ピティロスポリウムといったひと寄生菌は、成人のアトピー性皮膚炎を悪化させる要因として知られています。

カビへの対処方法

カビは湿度と温度が高く、栄養源がある場所で繁殖しやすいことがわかっています。
住宅のなかではキッチンや浴室がその条件を満たしやすいため、カビが繁殖しやすくなっています。
また、押し入れや下駄箱、洋服箪笥なども湿気がこもりやすいため、カビが発生することがあります。

結露による水分がつきやすい壁や窓サッシ、食べ物がたくさんある冷蔵庫もカビが発生しやすい場所です。
3つの条件をすべて絶てればいいですが、ひとつでも条件をなくしていけばカビの繁殖を抑制することができます。
湿度については、日本特有の気候と住宅の気密性などによって湿度を下げるのはむずかしいとされています。

カビが増殖しやすいのは70%以上の湿度と言われており、梅雨時などは特に高湿度の環境になってしまいます。
湿度を60%以下に保つことがカビの増殖予防につながりますが、このときに注意しなければいけないのが住宅に用いられている建材などにも水分が含まれているという点です。

気をつけていても湿度は高くなってしまいやすいので、こまめに換気をして湿気がこもらない工夫をすることが大切となります。
温度は20~30度がカビの生息に適していますが、0~50度の範囲であれば多くのカビは活動可能です。
そのため、冷蔵庫などの温度が低い場所でも繁殖がゆっくりなだけで、カビは活動できます。

栄養源については食品類がもっともカビに好まれますが、ホコリや木材、繊維なども栄養源になり得ます。
特に好まれるのが炭水化物や脂肪、たんぱく質などで、たくさんの食物であふれたキッチンはカビにとっては非常に生息しやすい場所です。
また、浴室も脂肪分や石鹸カス、垢などが落ちているので、それらを栄養源としてカビは繁殖します。

つまり、部屋の汚れはカビの餌ということになるので、汚れを取り除くことはカビの繁殖を防ぐうえで非常に重要です。
カビは胞子は空中を浮遊して繁殖に適した場所に付着し、成長・増殖していきます。
そのため、カビそのものを撲滅させることはむずかしいため、増殖させないということに絞って対策をとることが大切となります。

温度はコントロールがむずかしいですが、湿度や栄養源などは対策をとることでカビが生息しにくい環境に変えていくことは可能です。
たとえば、浴室はカビが生息するのに適していますが、気をつければカビの繁殖を防ぐことができます。
石鹸カスやシャンプーの付着はカビの栄養源となるので、お風呂から出るときは軽く壁面なども流しておくようにしましょう。

お湯だとカビが好む温度になりやすいので、水をかけておくことがポイントです。
お風呂を沸かすとたくさんの水蒸気が生じて、湿気がこもりやすくなります。
浴室に窓があるなら入浴後は換気をするようにして、窓がない浴室は換気扇を起動させましょう。

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