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Th2サイトカイン阻害薬の働き・注意点・副作用について

公開日: : 最終更新日:2015/12/12 抗アレルギー薬


Th2サイトカイン阻害薬は抗アレルギー薬のひとつで、さまざまなアレルギー症状軽減に使用されます。
ここでは特徴や副作用について、解説します。

Th2サイトカイン阻害薬の働き

アレルギー疾患には、花粉症に代表されるアレルギー性鼻炎、皮膚にかゆみが生じるアトピー性皮膚炎、激しい咳がでる気管支喘息などがあり、そういった症状に苦しむ人は少なくありません。

アレルギーと深い関わりがあるのが、免疫の仕組みです。

免疫細胞が過剰反応を起こすことで、さまざまなアレルギー疾患は発生します。

免疫は人間の体には必要な仕組みで、この仕組みがなければ外部から侵入しようとするウイルスや細菌を撃退することはできません。

感染症が起きたときに免疫があることで、病気を治すことができます。

しかし細菌やウイルスに感染したときに、免疫細胞の作用によってアレルギー反応が生じることがあります。

たとえば、風邪の場合は鼻水やくしゃみによって病原微生物を体外へ排出しようとします。

つまり、アレルギー反応というのはウイルスや細菌に対抗するための体の反応ということになります。

ただし、免疫システムが過剰に反応することで本来は体にとって無害である物質にまで、攻撃を加えることがあります。

たとえば花粉は本来は体に害を与えるものではありませんが、人によっては花粉を免疫細胞が認識することがあります。

その結果、花粉を取り除くためにくしゃみや鼻水などの症状があらわれるのです。

病原微生物を認識して攻撃対象とするのは問題ありませんが、必要のない対象まで攻撃するとアレルギー疾患が起こります。

こういった免疫細胞のなかでも特にアレルギーに関連する細胞としてTh2細胞があります。

この細胞から炎症を発生させるさまざまな物質が出されます。

それを防ぐには、この細胞の働きを抑制させる必要があります。

働きを阻害させることで炎症の原因物質の放出が抑制され、アレルギー症状を緩和させることができます。

こういった基本理論によって、免疫細胞に働きかけるTh2サイトカイン阻害薬は開発されました。

Th2細胞から出されるアレルギー物質の遊離を阻害することから、この名がついています。

Th2サイトカイン阻害薬の代表的な薬とその注意点

Th2サイトカイン阻害薬のなかで利用されることが多いのがアイピーディという薬です。

アイピーディは気管支喘息によって生じる気道の炎症を抑制する働きをもちます。

さらに、アトピー性皮膚炎の皮膚症状を緩和させる働きもあります。

特に難治性顔面紅斑に対しては、強い効果が発揮されます。

アレルギー性鼻炎については、季節に関係なく症状があらわれる通年性のものだけでなく、花粉症など特定の時期に起こる季節性のものにも効果を発揮します。

アレルギー性鼻炎のなかでも、アイピーディは特に鼻づまりに効果的です。

この薬は成人の場合は、通常は1回100mgを1日3回服用し、小児の場合は医師の指示に従うことになります。

ドライシロップの場合は、1日の6.0gを超えないように摂取するのが一般的です。

アイピーディの服用を避けるべきなのは、薬の成分に対するアレルギー反応が起きた場合です。

肝機能障害が起こっている人の場合でも服用は可能ですが、慎重さが求められます。

この薬は気管支喘息の治療に使用されることがありますが、気管支拡張薬あるいは全身性ステロイド薬などとはちがって、すでに発症している気管支喘息の発作をすばやく抑制する作用はありません。

気管支喘息の治療にアイピーディを用いる場合は、その症状や状態が適切にコントロールされていることが条件となります。

さらに、体の状態をよく観察して、症状の悪化などがあったらすぐに適切な処置をほどこす必要があります。

花粉症などの季節性アレルギー疾患の患者が使用する場合は、発作が起こりやすい時期の直前から服用をスタートし、その時期が終了するまで服用を継続することになります。

また、副作用ではありませんが、薬を服用することでジメチルスルフィドが発生して、口臭が起こる場合があります。

この薬はアレルゲン皮内反応を抑えるので、アレルゲン皮内反応検査を受ける場合はあらかじめ医師にそれを伝えておくようにしましょう。

通常は、検査を行う3~5日前から服用が中止することになります。

アイピーディは抗ヒスタミン薬などとは異なり、眠気などの副作用が抑えられています。

Th2サイトカイン阻害薬の副作用

Th2サイトカイン阻害薬の副作用としては、肝機能症状があります。

肝機能症状は非常に多彩ですが、初期症状としては嘔吐や吐き気、発熱、食欲不振、全身倦怠感などがあります。

ネフローゼ症候群が副作用として起こる場合もあります。

ネフローゼ症候群というのは、尿にタンパクが多く放出されてしまうために、血液中のタンパクが減少してしまう状態のことを言います。

この低タンパク血症の結果、血管のなかの水分が減少して、血管の外に水分と塩分が増加することでむくみが生じます。

重症化するとお腹や肺、さらに心臓や陰嚢などにも水が蓄積するようになり、血液中のコレステロールも増加します。

ネフローゼ症候群は腎不全のほか、脳梗塞や心筋梗塞、肺梗塞などの血栓症、感染症などを合併することがあるため、非常に危険です。

また、Th2サイトカイン阻害薬は妊娠中の女性や小児で安全性が確立されていないため、慎重な投与が求められます。

通常は服用を控える必要がありますが、やむを得ず服用しなければいけない場合は、必ず医師の指示にしたがって最小限の範囲で服用しなければいけません。

授乳中は、母乳を通じて乳児になんらかの影響が及ぼされる恐れがあるので、服用中は授乳を中止する必要があります。

ここで紹介したもの以外にも、なんらかの副作用があらわれることはあります。

Th2サイトカイン阻害薬を服用中は体の状態に気を配って、なんらかの異変を感じたらすぐに医師に相談することが大切です。

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