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アトピー性皮膚炎とはどんな病気?

公開日: : 最終更新日:2015/10/27 アトピー性皮膚炎

アトピー性皮膚炎とはどんな病気?

激しいかゆみを伴う湿疹が繰り返しできるアトピー性皮膚炎とはどのようなものなのでしょうか。
そもそも、「アトピー」とは、ATOPOS(アトポス)というギリシャ語からきている言葉で、「奇妙な」「不思議な」という意味があります。

日本皮膚科学会ガイドラインでは、「アトピー性皮膚炎とは表皮、なかでも角層の異常に起因する皮膚の乾燥とバリアー機能異常という皮膚の生理学的異常を伴い、多彩な非特異的刺激反応および特異的アレルギー反応が関与して生じる、慢性に経過する炎症と掻痒をその病態とする湿疹・皮膚炎群の一疾患である。患者の多くはアトピー素因を持つ。」とされています。

1933年に、アメリカ人のザルツバーガー医師が、「アトピー性皮膚炎」という病名を初めて使用しました。
医学用語としては、気管支喘息や鼻炎などのアレルギーの病気にも「アトピー」とつけられることがありますが、日本では、「アトピー」というと皮膚炎を指すことが多いです。

アトピー性皮膚炎は、端的にいうとかゆみを伴う皮膚の過敏症の一種です。
アトピー性皮膚炎には、ちょっとだけ皮膚炎が出る人から身体中が真っ赤に腫れ上がる人までさまざまな程度があります。

アトピー性皮膚炎はありふれた病気

多くのアトピー性皮膚炎の人は皮膚が乾燥しやすい「ドライスキン」であり、アトピー素因(アトピー性皮膚炎を起こしやすい体質)を持っています。
アトピー性皮膚炎のおおもとには敏感肌があり、ほかの人より皮膚が刺激に弱いことで乾燥しやすく、外からの刺激で皮膚炎ができやすいです。

皮膚炎ができれば、かゆみの刺激が起きてすぐに掻いてしまいます。掻いてしまえば、さらに皮膚炎が人工的につくられる、そういうサイクルになりやすいのです。
いわゆる、「アトピー性皮膚炎の肌」とは、そうやって繰り返す皮膚炎によって肌がざらざらとし、赤くなった状態です。

かつては乳幼児特有の病気とされていましたが、現在は成人しても治らなかったり、再発したりする人もいます。
20歳以下の10人に1人がアトピー性皮膚炎であると推測されており、意外に感じる人もいるでしょうがありふれた病気なのです。

原因ははっきりわかっていない。

アトピー性皮膚炎の原因ははっきりとわかっていません。
二つに分けて、遺伝的体質と環境の要因があると考えられています。

なりやすい遺伝的体質がある

家族や自分にアレルギーを起こしやすい体質があることを、「アトピー素因がある」と言います。
私たちの体には、外部から異物が入ったときこれを攻撃し、取り除く働きがあり、これを免疫と言います。
普段は私たちの体を守っている免疫が異常に強く働くことをアレルギー反応といいます。

アトピー性皮膚炎の人は体質としてアレルギー反応を起こしやすく、アレルギーに関わるIgE抗体という物質を産出しやすい素因を持っています。
また、健康な人の皮膚が油分や保湿成分で守られているのに対し、アトピー性皮膚炎の人は保湿成分が少ない乾燥肌であることがわかっています。
肌が保湿成分や油分で守られていると、皮膚のバリアができて、体の水分が出て行ったり、外からさまざまな物質が侵入するのを防いでいます。

ところが、乾燥肌の人は、アレルギーの原因になるアレルゲンや細菌などの微生物が肌の中に侵入しやすくなってしまいます。
アトピー性皮膚炎の人は、薬や化粧品、金属などにかぶれやすく、少しの刺激でかゆみが出てしまいます。自分自身の汗にかぶれることもあります。

かゆみがでると、そこを掻いてしまい、掻くことでバリア機能がさらに破壊され、刺激物がますます侵入しやすくなってしまい、炎症を起こしてさらにかゆみがひどくなる、という悪循環に陥ってしまいます。

環境が影響する場合もある

2歳までの乳幼児の場合、アレルゲンとして代表的なのはたまご、小麦、牛乳、大豆とダニです。
3歳以降では食物の影響は少なくなり、ダニや花粉の影響が大きくなってきます。

また、アレルギー以外でも、暑さや寒さ、空気の乾燥、化学物質の刺激、ストレスなどもアトピー性皮膚炎を悪化させます。
繰り返し掻くことや汗の刺激、肌の乾燥なども悪化の大きな原因です。

アトピー性皮膚炎の症状はとても辛い

アトピー性皮膚炎の定義は、良くなったり(寛解 かんかい)悪くなったり(増悪 ぞうあく)を繰り返す、かゆみのある湿疹が特徴の皮膚疾患です。
もっとも顕著なのは掻痒(そうよう)、つまりかゆみです。
子どもでは2ヶ月以上、成人では6ヶ月以上湿疹が続く場合、慢性と診断されます。

湿疹の分布の特徴は、左右対称になることが多く、額、目の周囲、口のまわり、耳元、首、四肢の関節、体幹など全身に湿疹ができます。
乳児期は頭や顔にはじまり、体幹や四肢に症状がひろがります。
幼小児期は首や腕や脚の折れ曲がる部分に病変が多くできます。

成人では、上半身に湿疹ができることが多い傾向があります。
急性の湿疹としては赤くなり、ジクジクしたぶつぶつができ、皮がむけてかさぶたになる状態になります。
慢性の病変ではさらに皮膚が厚くなったり、硬くなったり、硬いしこり(結節 けっせつ)ができます。

重症の場合は熱がでることも

重症の症状では、激しく体が腫れたりむくんだりし、浸潤(しんじゅん)といって患部が周囲の皮膚を徐々に侵して広がっていく状態になります。
皮膚の表面はゴリゴリ、ゴワゴワした感じになっている状態です。

苔癬化(たいせんか)という、皮膚が厚く硬くなりキメが粗くなった状態になり、つまむと硬くなります。紅斑(こうはん)と呼ばれる赤いぶつぶつが皮膚の表面に多数できます。
皮膚の表面が白い鱗のようになり、それがフケのようにたくさん落ちます。
とにかくかゆいので、掻いた後がたくさんでき、時にはミミズ腫れや出血をともないます。

中等症の場合は、体が腫れるまではないものの、紅斑やフケ、ぶつぶつ(丘疹)、かきむしったあとが見られます。
軽症であれば、乾燥と軽度の紅斑、フケなどが主体になります。軽微のアトピー性皮膚炎は炎症症状は少なく、乾燥の症状が中心になります。
患部が熱をもったように熱くなり、体温が上昇して37~38度の熱がでることもあります。

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