*

乳幼児の湿疹とアトピー性皮膚炎

公開日: : 最終更新日:2015/11/06 アトピー性皮膚炎

乳幼児の皮膚炎は小児科よりも皮膚科で

アトピー性皮膚炎はもともと乳幼児に特有の病気だと考えられていたこともあるほど、乳幼児にとってはありふれた病気です。
成長とともによくなる場合も多いですので、適切な治療をすれば、深刻化しないですむケースが多いと言えます。

皮膚を清潔に保つと同時に、保湿することが大切なのは、アトピー性皮膚炎に共通します。
乳幼児のアトピー性皮膚炎は、顔や頭から湿疹が始まることが多いのですが、貨幣状の湿疹が出ると要注意です。

これは、乳幼児に特有のアトピー性皮膚炎の表れ方で、少し硬く厚くなった湿疹が背中や上腕のあちらこちらにできます。
この湿疹は弱いステロイドの外用薬では効果が出づらく、少なくとも湿疹が平らに、ジクジクしなくなるまでは少し強めのステロイド外用薬を湿疹のできているところだけに塗ると効果的です。

ところが、小児科では、ステロイド薬の使用経験、使用頻度が少ないため、常識的なよい医院ほど、弱いステロイド薬を使って様子をみることが多いようです。
これでは症状はよくなりませんので、乳幼児の皮膚炎は小児科よりも皮膚科で診てもらった方がよいでしょう。

乳幼児に多い乳児脂漏性湿疹

アトピー性皮膚炎と見分けがつきにくいものに、乳児脂漏性皮膚炎という病気があります。
顔に赤みを生じ、ときにはカサつき、ときにはジクジクと浸出液がでます。あごから胸にかけてかぶれを生じ、小さな紅斑(こうはん 赤い湿疹)や丘疹(きゅうしん ぶつぶつ)があちこちに見られます。

耳の周りはジクジクし、頭にはカサカサした鱗屑(りんせつ フケ)がでますので、見るからに痛々しく、びっくりするような状態になることがありますが、皮膚科にかかれば治療はそれほど難しくありません。
治療法としては、症状の程度にあわせてステロイド外用薬を用い、ときには内服薬も使用すれば、特に深刻な問題にはなりません。

ところが、小児科では乳児脂漏性湿疹も非ステロイド薬を処方されることが多く、薬の効果が弱くて余計に皮膚炎が増えたり、薬そのものにかぶれてしまうこともあります。
ステロイド薬は、短期的に使用すれば効果が高く、副作用の心配も少ないので、処方通りにきちんと使いましょう。
症状が軽くなっても、リバウンドを防ぐためにはある程度使いつづける必要がありますので、勝手な判断でステロイド外用薬の使用を中止してはいけません。

どちらの皮膚炎でも、皮膚を清潔に保つことが必要なのは共通しています。首や胸はよだれでかぶれることもあるので、お風呂で丁寧にすすいであげるとよいでしょう。腕や脚のぷくぷくしたところは、指で平らに皮膚を伸ばして石鹸などが残らないようにすすぎます。

保湿剤としては、ワセリンやベビーオイルなどでも十分な場合もありますが、皮膚の乾燥や異常が認められたときには皮膚科に相談したほうがベターといえるでしょう。

スポンサーリンク

関連記事

リアクティブ療法とプロアクティブ療法とは

アトピー性皮膚炎の治療の方法に「リアクティブ療法」と「プロアクティブ療法」があります。 この二

記事を読む

アトピーと腸管粘膜の炎症との関係とは

近年の研究の結果で、アトピー性皮膚炎と胃腸のトラブルには関係があることが判明しています。 アレ

記事を読む

アトピー性皮膚炎へのプール(塩素)の影響は

アトピー性皮膚炎にとって、プールでの運動は実は相性の良い運動です。 皮膚につくホコリやチリを気

記事を読む

アトピー性皮膚炎の保湿剤の働きと重要性

アトピー性皮膚炎の治療のなかで有効なのが肌を乾燥させないように保湿剤を用いることです。 保湿剤

記事を読む

ステロイド薬とプロトピック軟膏の併用

アトピー治療の現場やアトピー患者の間で、プロトピックという薬が話題に登ることがあります。 プロ

記事を読む

アトピー性皮膚炎と耳切れ

耳切れという皮膚疾患の症状があります。 これは、耳たぶの付け根が切れてしまう症状で、アトピー性

記事を読む

アトピー性皮膚炎の「痒み」の理由は?

アトピー性皮膚炎で起こる、強い肌の痒み。 時には眠れなくなるほどの痒みを感じ、睡眠不足に陥る患

記事を読む

アトピー炎症後の色素沈着は取れるのか?

アトピー性皮膚炎の炎症がもとで起こる肌の色素沈着が治るかどうか。 これは誰でも、特に女性であれ

記事を読む

アトピー性皮膚炎とはどんな病気?

アトピー性皮膚炎とはどんな病気? 激しいかゆみを伴う湿疹が繰り返しできるアトピー性皮膚炎とはど

記事を読む

アトピー性皮膚炎に影響するフィラグリンとは?

フィラグリンとは皮膚を守る働きを持つタンパク質です。 肌の角質層を形成するのに不可欠なもので、

記事を読む

水疱性類天疱瘡を詳細に:原因,症状,検査,治療など

水疱性類天疱瘡とは 水疱性類天疱瘡(すいほうせいるいて

グッドパスチャー症候群を詳細に:原因,症状,検査,治療など

グッドパスチャー症候群(ぐっどぱすちゃーしょうこうぐ

B細胞と抗体による体液性免疫

免疫には抗体が関係する体液性免疫、そして抗体が関係しない

免疫グロブリン製剤の働き・取り方・副作用・代表的な製剤などについて

人間の体は血漿成分によってさまざまな脅威から保護されてお

リンパ組織とは

生体防御のなかで重要な役割を果たすものをリンパ球といい、

→もっと見る

PAGE TOP ↑