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アトピー性皮膚炎:ステロイド外用剤の上手なぬり方

公開日: : アトピー性皮膚炎, ステロイド

つらいアトピー性皮膚炎

アトピー性皮膚炎は、乳幼児に始まり、一部成人期まで持続するとのある湿疹性皮膚疾患で、強いかゆみと発疹を繰り返す特徴があります。
アトピー性皮膚炎の診断は非常に強いかゆみがあることと、各年齢で特徴的な発疹がでること、軽快と再燃を繰り返す病気であることが基準に診断されます。

アトピー性皮膚炎は、アレルギー的要因(ダニ、ハウスダスト、食べ物、花粉、カビ、ホルムアルデヒドなど)と、皮膚が乾燥しやすいドライスキンであり、ちょっとした刺激によってもかゆみを誘発する性質を持っていることから発症すると考えられています。

発症するメカニズムは非常に複雑で、大人になってからアトピー性皮膚炎になる人もいます。
アトピー性皮膚炎の治療法は現在、薬物療法とスキンケア、悪化しうる要因を除去することの三本柱によって成り立っています。

基本的にはアレルゲンとなる物質を見つけ出して除去する必要があります。
それにもかかわらず、皮膚に炎症が生じている場合には、ステロイド外用薬を用います、これは、ステロイドの抗炎症作用を利用したものです。

ステロイド外用薬の種類

ステロイド外用薬は、「ストロンゲスト(最も強い)」「ベリーストロング(かなり強い)」「ストロング(やや強い)」「マイルド(普通)」「ウィーク(弱い)」の5段階があります。

こども・高齢者の患者や、顔や首、陰嚢などの皮膚の弱い部分には弱いステロイド外用薬用います。
顔は体の一方、手のひらや足のうらはステロイドが吸収されにくいので、強いものを用います。

症状が強く出ている部分には強いステロイド薬を用い、だんだんと弱いものに切り替えてゆく治療法が一般的です。
最終的には保湿剤によるスキンケアだけでも十分になる人もいます。

ステロイド外用薬には、軟膏、クリーム、ローション、スプレーがあるので患部によって使い分けます。
軟膏は乾燥した部分や慢性的な病巣、軽度のジクジクした部分などでオールマイティに使用できますが、てかてかとした感じを好まない人もいます。

軟膏よりも、クリームは伸びがよく使いやすいです。
ローションやスプレーは、クリームなどが塗りにくい頭皮やジクジクした部位に有効とされています。
かゆみの強いぶつぶつや、ゴワゴワした部分にはテープ剤を用いることもあります。

塗り方

ステロイド外用薬は、一日に1~2回、入浴後の清潔な肌に使用します。
スポーツで汗をかいたり、水泳などをしたあとは速やかに体を清潔にすることが大切です。
ステロイド外用薬は手のひらや指の腹で薄く伸ばすのがポイントで、決してすり込んだりしてはいけません。

あくまでも優しく塗ることが大切です。まず乳液やローションなどの保湿剤を塗って、その上からステロイド薬を重ねると上手に塗れます。
炎症がない部分は保湿用の乳液などだけで、ステロイドは患部のみに塗れば大丈夫です。

ステロイド薬を塗った上に亜鉛華軟膏などの外用薬を塗ったガーゼ覆う両方(重層療法)は、ステロイドをより皮膚が吸収しやすく、効果も高いため、症状のひどい部分に用いると効果を発揮します。
クリームをたっぷり塗ったあとで食品用ラップで覆う方法(ODT療法)は、臨床効果は高いのですが皮膚が萎縮する副作用がでることが多いため、現在ではあまり使われません。

ステロイド外用薬の副作用

強いステロイド薬を毎日、広範囲にわたって使用してる場合、全身的な副作用がでる場合があります。
副腎機能不全、発育障害、感染症を起こしやすいなどです。
しかしながら、こういった副作用はストロンゲストのステロイド外用薬を毎日大量に、しかも長期間にわたって外用しないと起こりません。

また、ステロイドの免疫抑制によって、皮膚の感染症が起こりやすくなります。
カポジ水痘様発疹という、単純性ヘルペスの初期感染で、全身に水ぼうそうのような水疱ができ、発熱などの症状がでることがあります。
しかしながら、やはりこれも長期間強いステロイド薬を用いた場合であり、段階的にステロイド外用薬の量を減らすようにコントロールすれば予防できます。

ただしながら、ステロイド外用薬自身が原因となるかぶれもありますので、ステロイド外用薬を使っても悪化する場合は疑う必要があります。
また、ステロイド薬は白癬菌(水虫)や水いぼには効果がなく、かえって悪化させる場合もありますので、アトピー性皮膚炎の他におかしいところがあるな、と思ったら皮膚科で相談してください。

ステロイドのリバウンド

ステロイドは、強いものから弱いものへ、段階的に弱めてゆくのが治療の基本で、外用薬でも同様です。
アトピー性皮膚炎でステロイド外用薬を使用する場合、症状が軽くなって勝手にやめてしまうことは非常に危険で、かえって症状を増悪させる「リバウンド現象」を起こしてししまいます。

一時期、ステロイドを中断したことで、体が腫れ上がる、滲出液でシーツがべとべとになるなどの報道がありましたが、これはステロイドの副作用ではなく、リバウンド現象です。
決して、ステロイドを止めたことによる「好転反応」ではありません。

こういった症状は、みるからに痛々しく、あたかも重症の病気のように感じられることから、「ステロイドは強い薬だ」という印象が広まってしまいましたが、適切に利用していれば、リバウンドは起きません。
意外かもしれませんが、ステロイドは湿疹には非常に有効ですが、かゆみには効きません。

言い換えれば、かゆみがなくても湿疹を治すためには一定期間ステロイド薬を塗る必要があるということです。
したがって、ステロイド外用薬だけではなく抗アレルギー薬や抗ヒスタミン剤でかゆみをコントロールしながら、湿疹を治すのがアトピー性皮膚炎の代表的な治療方針だと考えておきましょう。

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