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大動脈炎症候群の原因・症状・検査・治療について

公開日: : 自己免疫疾患


大動脈炎症症候群は、現在は高安動脈炎(たかやすどうみゃくえん)と呼ばれています。
大動脈を中心とした太い血管に炎症が起きて、その結果血管が狭くなったり、逆に拡張したりする病気です。

1908年に眼科医の高安右人(たかやすみきと)博士が報告しました。
大動脈のみではなく、全身のさまざまな血管に炎症が起こるのが特長です。
腕の血管に炎症が出ると、脈が取れなくなることから、「脈なし病」と呼ばれていたこともあります。

この病気は、炎症が体のどこの血管に出るかによって、あらわれる障害の程度が大きく異なるために、治療法も一人一人異なるという特徴があります。
全国で約5000人程度の患者がおり、男女比は1:9で女性に圧倒的に多い病気です。
そのなかでも、10代から20代にかけて発病する女性が多いですが、男性は年齢に関係なく発症します。

大動脈炎症候群の原因

高安動脈炎の原因は未だに不明です。
自己免疫疾患である膠原病(こうげんびょう)の一つのタイプと考えられていますが、なぜ病気があらわれるのかはわかっていません。

まれに母娘や姉妹で発病する人がいることから、なんらかの体質が影響している可能性はあるものの、遺伝する病気ではありません。
それまでの生活や環境との関連は見いだせません。

大動脈炎症候群の症状

大きな血管に炎症が起きて、全身の症状が引き起こされます。
初診でよく見られる症状は、手のしびれ・疲労・脈なしが約70%、だるさや違和感が約65%です。
血管が詰まることで、高血圧になることもよくあります。

血管が炎症を起こすせいで、全身に合併症が起こります。
難聴や耳鳴り、歯痛、炎症性の腸炎、腎不全のほか、心臓の病気である冠動脈狭窄(狭心症、心筋梗塞)、大動脈弁閉鎖不全も起こります。
最初は風邪に似た体調不良を訴える患者が多いです。

全身の部位にでた症状にしたがって、合併症の治療を行い、炎症を沈静化させることを目的とします。
長期にわたって注意が必要な病気です。

大動脈炎症候群の検査

診断は、基本的に画像診断と血液の検査によります。
画像診断では、血管の状態をみるカテーテル血管造影法などが長く使われてきましたが、CTやMRIでも十分な情報を得る技術が進歩しています。

炎症の様子を見ることのできるPET検査では、血管の壁の様子について有効な情報が手に入ります。心臓に病変のある場合では、超音波(エコー)を定期的に行う必要があります。
血液検査では、体のどこかに炎症が起こると値が上がるCRPを手がかりにして判断します。

大動脈炎症候群の治療

一般的に、血管の炎症は長い時間をかけておさまっていくケースが多いです。
ただし、一度傷ついた血管のうちでは、元に戻りにくいものもありますので、治療を継続することが大切です。
治療の基本は副腎ステロイド剤であるプレドニンというお薬を服用することです。

副腎ステロイド剤を2~4週間をめどにしっかりと服用し、様子を見ながら徐々に量を減らしていきます。
通常は少量の薬を長期間内服することで、病気の再燃を防ぎます。
プレドニンは優れた抗炎症薬ですが、高安動脈炎を完治させるものではありません。

また、副腎皮質ホルモンですので、副作用を伴います。
副作用については、すでによく知られていますので、理解しながら服用してください。
感染症にかかりやすくなったり、糖尿病になりやすくなったりしますし、ニキビや顔が腫れるなどの症状も出ます。

しかしながら、こういった副作用は徐々に飲む薬の量を減らすことでコントロールできますので、決して急に服薬を中止してはいけません。
プレドニンで効果が十分出なかったり、副作用が強く出る場合には、免疫抑制剤をすすめられる場合もあります。
高安動脈炎では、高血圧や弁膜症などを併発することがよくあります。

これらの疾患には、それぞれ適したお薬を服薬して対応します。
血管のバイパス手術や心臓弁膜症の手術が必要な患者さんもいますが、ごく一部です。

炎症がおさまっていて、かつ合併症がひどくなる前に手術をする必要があります。
大動脈瘤(血管にできるこぶ)が大きくなると手術することもあります。

大動脈炎症候群の生活

妊娠・出産は、安全に出産しているケースが多いです。
ケースバイケースで総合的に判断するので、主治医とよく相談してください。
血管の炎症はやがておさまりますが、合併症が残る場合がほとんどです。

高安動脈炎の人は動脈硬化になりやすいので、一般的な注意が必要です。
高血圧が残る場合も多いですし、定期的な血液検査と画像検査は必要になります。

抗血小板薬(アスピリンなど)は、血栓症の発生を防ぐ観点から、長期にわたって飲み続けるほうがよいとされています。
服薬は、自己判断で中止してはいけません。
必ず医師に相談してください。

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