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特異的IgE(RAST)検査の基準値やわかる事

公開日: : アレルギーの検査


アレルギー症状の治療では、まずはアレルギーの原因物質を特定することが大切となります。
RAST検査はアレルギーの原因物質を特定するために有用な検査で、アレルギーの疑いがある人の多くはこの検査を受けることになります。
ここでは、その特徴などについて紹介します。

特異的IgEの検査とは

アレルギーにはさまざまな仕組みや経路がありますが、その代表格とも言えるのがIgEというたんぱく質を介したアレルギーです。
血液検査を行ってこのIgEの量を調査することで、アレルギーの有無や程度をわかりやすく把握することができるというメリットがあります。

IgEはそれぞれのアレルゲンに対して数多く見られるため、たとえばダニへのIgEやスギへのIgEを検査してそれらの数値が高いようなら、それらが高いならダニやスギに対してアレルギーがあると判断されます。
このように、特異的なアレルゲンに対するIgE数値をそれぞれ調査することを、特異的IgE検査(RAST)と言います。反対に、不特定なIgEの合計を調査することを非特異的IgE検査(RIST)と言い、区別されます。

保険によって検査可能な項目

特異的IgE検査(RAST)はアレルギーの抗体の有無を調べる検査ですが、その項目は無数あります。
自分で項目を選択することもできますが、保険が適用される13項目を調べてみるのもいいでしょう。
カビやダニ、ハウスダストなどの環境アレルゲン、ラテックスなどの職業性アレルゲン、花粉症の原因となるイネ科食物や雑草、ヒノキ、スギ、食物アレルギーである牛乳や小麦、卵、そば、ピーナッツ、甲殻類などに分類され、検査を受けることで原因を特定することができます。

アレルギーの原因は非常に多いため、1度の検査でアレルゲンを特定できるとは限りません。しかし、血液検査によって短時間で調べられること、アレルゲンと推定される項目に絞って検査を受けることで精度を高められるといったメリットがあります。
アレルギーではアナフィラキシーショックなどによって死に至るケースもあるので、自分や子供のアレルギーの有無、原因について調べておくことは大切だと言えるでしょう。

特異的IgE検査の種類

血液検査では血液中に含まれる200以上のIgEについて、それぞれの濃度を測定することができます。
アレルギーの血液検査の方法には、発生しやすいアレルギーをいくつかまとめて調べるマルチアレルゲン検査、特定のアレルゲンをひとつひとつ調べるシングルアレルゲン検査の2つがあります。マルチアレルゲン検査をまずは行い、その結果をふまえたうえでシングルアレルゲン検査をするというのが一般的な流れです。

シングルアレルゲン検査では、あらかじめ問診などを行っておおよそのアレルゲン物質を推定してから、IgE検査をするというのがよくある流れです。
特異的IgEの検査は陰性から高度強陽性まで5段階で評価されます。
ただし、この数値が高いからといって必ずしもアレルギー症状があらわれるとは限らないので、注意するようにしましょう。

花粉症に代表されるように、前はアレルギー症状があらわれなかったのに、いきなりさまざまなアレルギー症状があらわれることがあります。
もともと備えていたアレルゲンがなにかのきっかけで表面化することがあるように、現在アレルギー症状がなくても将来的に発現する可能性があるのです。

特異的IgE検査の信頼性

検査を受けるに当たっては、食事などによって経口摂取するものと、動物上皮やカビ、ハウスダスト、ダニなど皮膚を介して接触するものは分けて考えるべきでしょう。
食事における特異的IgEというのは、小麦やピーナッツ、牛乳、卵などの一部たんぱく質以外は、信頼性は高いとは言えません。

血液検査で陽性でない物質であってもアレルギー反応が生じることはあり得ますし、陽性を示したとしても必ずしもアレルギーを保持しているとは言い切れません。
血液検査で反応を示したとしても、アレルギー症状が起きないという人は少なくありません。
この検査結果は診断を行う際の参考情報のひとつというだけであって、確定診断に至るものではないのです。

そのため、この検査結果だけを真剣にとらえて、食事制限を徹底するというのはおすすめできる方法ではありません。
食物アレルギーの診断で重要視すべきなのは実際に摂取したときに皮疹などの症状が出るかということですが、それを試すためのひとつの指針に検査結果を利用するというのは意味があるでしょう。
特異的IgE検査は動物やカビ、花粉、ハウスダストなど皮膚を介して接触するアレルゲンの特定には信頼性が高いと言われています。

5歳以降のアトピー性皮膚炎の疑いがある場合

どの項目を検査するかというのは、さまざまな考え方があります。
個別の項目の詳細を調査するよりは、どれが原因になっているか全体をざっくりと調べるというのもひとつの方法です。5歳以降のアトピー性皮膚炎の検査をしたいのなら、環境抗原を中心に調べることをおすすめします。

カビや動物上皮、イネ科植物、雑草、ヒノキ、スギ、ヤケヒョウダニ、ハウスダストなどについて、検査してみるといいでしょう。これらを網羅しておけば、だいたいはアレルゲンを特定できると言われています。
子供を検査する場合は、これに食物に関する項目を追加することもあります。これらの項目で検査して陽性という結果が出たら、その項目について個別検査するのもおすすめです。

アトピー性皮膚炎の患者の多くはヒト汗抗原に対して陽性が出るというデータもあります。アトピー性皮膚炎では自分の汗に過剰反応を起こし、皮膚症状を重篤化させると考えられてきましたが、このヒト汗アレルゲンはカビの一種が生み出すタンパクであることが判明しています。
ヒト汗反応に関してはヒスタミン遊離試験という方法で調べることができます。

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