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TARC検査の基準値やわかる事

公開日: : アレルギーの検査


TARC(thymus and activation-regulated chemokine)は「タルク」あるいは「ターク」と呼ばれる検査で、アレルギーのひとつであるアトピー性皮膚炎の程度を把握するために行われます。
保険適応の対象となっているため、一般の診療所でも受けることができます。

TARCとは

アトピー性皮膚炎の血液検査はいくつかあり、特異的IgE検査と非特異的IgE検査がよく知られています。
こういった検査はアレルギーの原因を探るうえで重要視すべき検査です。
しかし、これらの検査はアレルギーの体質を調査しているようなもので、今現在の皮膚の状態を把握するうえでは情報不足と言うことになります。

治療を続けてアトピー性皮膚炎の症状がある程度おさまった段階で検査をしても、数値自体はそれほど変化していないのはそういった理由からです。TARCで示される値は現状のアトピー性皮膚炎の状態が反映されているため、重症度を把握するうえでは意味があるものです。
治療をつづけて皮膚の状態が改善されれば、TARCの数値も下がります。TARCは白血球に対して走行性などをあらわすケモカインのひとつです。

アトピー性皮膚炎ではいろいろな刺激によって、皮膚の病変の細胞などからTARCの生成あるいは増強されます。
病変部分の表皮角化細胞によって生成されたTARCがリンパ球を局所に移動させ、Th2優位の免疫応答によってIgE産生や好酸球が活発な状態となって、アレルギー症状はあらわれると言われています。アトピー性皮膚炎の治療では、その程度によって外用ステロイド剤の種類や量などを選ばなければいけないので、重症度を知っておくことは大切です。

血液に含まれるTARCの量はほかの検査と比較して、アトピー性皮膚炎の程度によって数値の変化が明確に確認できます。
そのときの皮膚の状態を十分に反映される検査なので、医療現場で広く用いられるようになったのです。

TARCを受けるメリット

TARCを受けるメリットとしては、アトピー性皮膚炎の治療が順調に進んでいるかを把握することができること、定期的に検査を受けることで治療方法に変化をもたせることができること、皮膚の状態が数値化されるために治療の目標を設定しやすいことなどが挙げられます。
さらに、外見上は完治していてもTARCが高い数値を示していたら、それはわずかながら炎症が残っていると言うことです。そのため、完全に治るまで治療をつづけることができます。

たとえば血糖や内蔵機能などは見た目ではわからないため、血液検査によって状態を把握するしかありません。
皮膚は目で見て確認することができるため、検査は必要ないのではと思われがちです。しかし、炎症のなかには目で確認できないものもあるため、TARCを行う意味はあるのです。
こういった場合は、表だった皮疹などは確認できないのに、かゆみなどの症状はつづくことが多いようです。

炎症状態がつづくと再発のリスクも高くなるので、注意しなければいけません。外用療法などによってTARCの数値が低くなるにつれて、かゆみも治まっていきます。
つまり、より完璧な治療が実現できるというのがTARCのメリットと言えるのです。

TARCのすうち基準値について

TARCは2008年に保険適用されたことから利用されやすくなりました。
そのため、患者や医師にとって、アトピー性皮膚炎の治療の明確な指標となったと言えます。
健康上の問題がない場合、TARCの値は450pg/mL未満となることが多いでしょう。
成人がアトピー性皮膚炎の治療を行う場合は、TARC値500pg/mL以下を目指すのが一般的です。

この数値は「症状がまったくない寛解した状態」を示しているので、この数値となったら完治したと考えていいでしょう。
また、軽度のアトピー性皮膚炎の場合は700pg/mL未満、中等症以上の場合は700pg/mL以上の値を示します。
重症の場合は1万以上の数値を示すこともあります。この数値によって治療方法の選択や治療効果の確認が行われることになります。

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