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乳酸脱水素酵素(LDH)検査の基準値やわかる事

公開日: : アレルギーの検査


『乳酸脱水素酵素(LDH)』というのは、乳酸をピルビン酸という物質に変化させたり、その逆にピルビン酸を乳酸に還元させたりする時に、化学反応の触媒となる働きをする酵素のことです。ここではその詳細について解説します。

LDHとは

LDHは乳酸脱水素酵素のことでを言います。
『乳酸脱水素酵素(LDH)』というのは、乳酸をピルビン酸という物質に変化させたり、その逆にピルビン酸を乳酸に還元させたりする時に、化学反応の触媒となる働きをする酵素のことで、この酵素は多くの細胞に含まれています。
この乳酸脱水素酵素(LDH)は、血液検査では重要な検査項目の1つとされていて、主な目的は、肝臓に障害がないかどうかを調べることにあります。
たとえば肝臓などの臓器になんらかの異変が生じると細胞が死滅してしまい、血液中にLDHが放出される事態となります。

特に心筋梗塞や肝臓がん、急性肝炎などを発症するとLDH値が高くなるため、こういった早期発見が望ましい疾患の検査に用いられることがあります。
また、いろいろな臓器のがん、間質製肺炎、慢性肝炎や肝硬変などの肝臓病、腎不全、悪性貧血などの血液病、筋ジストロフィーなどの骨格菌の病気などでも血液中のLDH値は増加するため、こういった病気を発見するためのスクリーニング検査として利用されることもあります。
LDHには基準値がありますが、測定方法によってその数値は大きく変化すると言われています。

■基準値
  PL法:240~490IU/l
  SFBC準拠法:180~370IU/l

性別による差はほとんどありませんが、妊娠後期はLDHが大きく上昇し、出産前には基準値の2倍ほどになることもあります。
血清中のLDHが低ければ問題ありませんが、高くなるのはダメージを受けた臓器の細胞からLDHが流れ出ているということです。
そのため、注意が必要になります。

アレルギーとLDH

乳酸脱水素酵素LDHはアレルギー症状の程度を示すためのひとつの指標にもなります。LDHはさまざまな疾患と関係が深い数値ですが、アレルギー症状が起きるとLDH数値が上昇することが少なくありません。
アトピー性皮膚炎の場合、発疹の程度と比例するように、数値が上がることが多いと言われています。そのため、発疹が全身に広がっているような状態で検査をすると、数値が高く出ることがあります。

LDHは健康診断などで肝臓機能項目に入っていることが多く、アトピー性皮膚炎患者の肌のコンディションが悪いときに受けると、数値が高くなることがあります。この場合は再検査を受けることがすすめられますが、多くの場合、肝臓には問題がなく、皮膚の炎症のために上昇していることがほとんどです。
LDHはさまざまな場所で生成されますが、その一部は皮膚でつくられます。

皮膚病変の影響が大きければ大きいほど皮膚で生成されたLDHが血液中に流れ出し、血液中のLDH数値が上昇すると言われています。そのため、湿疹の病変の程度を把握するうえで、血液中のLDH値が測定されることがあります。
しかし、この数値の上昇はアレルギー症状特有のものとはいえないため、アレルギーと特定されていない段階では行われることはほとんどないでしょう。
湿疹病変などがあれば、それがどの程度拡大しているのかの目安となるため、アトピー性皮膚炎などの確定診断がされた場合にのみ検査は行われます。

この数値は食事などの影響によって上がる、あるいは下がることはないため、検査を受ける前だからといって気をつけることはありません。
ただし、LDH値はあらゆる細胞に含まれ、骨格筋細胞にも含まれていることがわかっています。そのため、検査の前に激しい運動をすると翌日までにLDH値が上昇する可能性があります。

検査前日や当日の運動は、念のため運動は控えておいたほうがいいでしょう。また、アレルギーの原因を特定するためには、LDH値を調べるのでは不十分なので、ほかの検査も行う必要があります。
特にアトピー性皮膚炎は血液検査と同様に皮膚の状態などを把握することが大切となるので、医師の診察を受けることが望ましいでしょう。

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