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アレルギー性喘息の呼吸機能検査でわかる事

公開日: : 最終更新日:2016/01/29 アレルギーの検査


さまざまなアレルギー症状のなかでも、喘息はつらい症状が継続してあらわれることが知られています。
どういった検査が必要になるのでしょうか。
ここでは重要な検査のひとつである、呼吸機能検査についてくわしく見ていきます。

呼吸機能検査とは

喘息の検査には血液検査や胸部レントゲン検査などさまざまな検査がありますが、そのひとつが呼吸機能検査です。
呼吸機能検査は喘息の診断、あるいは状態を確認するために行う検査です。

この検査はいくつかの種類があり、目的や患者の年齢、症状などにあわせて適した検査が選択、あるいは組み合わされます。
呼吸機能検査のひとつであるスパイロメトリーは、スパイロメーターと呼ばれる機器を用いて呼吸機能を調べるというものです。

はじめに息を思い切り吸い込んで、つづいて勢いよくはき出します。
このときの息を吸ったタイミングでの肺活量、吐きはじめてから終了するまでの時間、吐くスピードも機械によって計測することができます。
はじめの1秒間に吐き出した空気の量を1秒量といい、この数値が重症度合いをはかるうえでのひとつの指標となります。

喘息患者の場合、肺活量や1秒量は正常値に比べて、低くなることが多いようです。
肺活量をわかりやすく把握するために、グラフにあらわされることがあります。
肺活量をグラフ化すると曲線になり、これをフローボリューム曲線と言い、この図の特徴からどういった病気がかくれているのか把握することができます。

力いっぱい息を吐き出した際の息の強さの最大値のことをピークフロー(最大呼気流量)といい、この数値は喘息をコントロールするうえで欠かせない要素です。
喘息患者の場合、症状があらわれている最中は気道が狭まって、痰がからんで息を吐くスピードが遅くなります。
そのため、ピークフロー数値は小さくなり、肺活量の数値も小さくなることがあります。

ピークフローの測定

ピークフローは、ピークフローメーターと呼ばれる機器をつかえば、自宅でも手軽に測定することが可能です。
喘息は自己管理が必須の疾患なので、自分の状態を把握するためにピークフローは多くの喘息患者が利用しています。
しかし、ピークフローによる数値が正常でも、フローボリューム曲線や1秒量、肺活量などに異常が見られることはあります。

スパイロメトリーでの測定結果は肺の病的変化をより正しく把握できるというメリットがあります。
そのため、ピークフローメーターがあるからといって医療機関での呼吸機能検査がまったく必要ないと言うわけではありません。

喘息を発症している可能性がある人は、少なくともはじめの1回は医療機関で検査を受けたほうがいいでしょう。
喘息を発症すると肺活量が低下することが多いですが、閉塞によるものなのか、あるいは拘束性によるものなのかは1秒量などのデータで見当する必要があります。

拘束性障害は閉塞性障害が確認されないのに、肺活量の低下が見られる状態を言います。
拘束性障害は間質性肺疾患や胸郭の変形などの変形によって発症すると言われています。

フローボリューム曲線と気管支拡張薬

喘息を発症している人が呼吸機能検査を行うと1秒あたりの息を吐く量が少なくなります。
この状態が気管支拡張薬によって改善するようなら、喘息と確定されます。

気管支拡張薬というのは、気管支を拡張することによって呼吸困難を改善する薬のことを言い、気管支喘息のほかに慢性閉塞性肺疾患や急性気管支炎などの治療のために用いられます。

肺機能の状態はフローボリューム曲線であらわされ、縦軸が呼気の流速、横軸が排気量を示します。
気管支拡張薬を吸入したあとに、このフローが非常に高くループが大きくなっている場合は、気管支拡張薬の効果が出ていると言うことになります。

つまり、気管支拡張薬の吸入によって、呼気の流速が大きく改善しているということが結果にあらわれていると言えるのです。
気管支拡張薬を用いる場合は、吸入前後もしくは2~3週間のステロイド薬内服、吸入前後で呼吸機能検査を実施し、1秒量が200ml以上かつ12%以上改善された場合には気道可逆性ありと診断されることになります。

しかし、検査のタイミングで喘息発作が見られない場合は、気道の可逆性を証明できないケースもあります。
こういった場合は自宅でピークフローメーターをつかって、あらためて測定することになります。
計測した結果、ピークフロー値に20%以上の日内変動が確認された場合も気道可逆性ありと診断されることになります。

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