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全身性硬化症の原因・症状・検査・治療などを詳しく

公開日: : 膠原病


全身性硬化症は強皮症のうち、症状が皮膚だけにとどまらず、内臓にまで及ぶ病気です。
全身の皮膚が硬くなり、内臓も徐々に硬くなって機能不全を起こします。
全身性硬化症には、検出される抗体の種類によって、二つの型があり、典型的な症状をしめす「びまん型全身性硬化症」と比較的軽症の「限局型全身性強皮症」に分けられています。
前者では、5~6年以内は病気が進行することが多く、後者の軽症型では進行はほとんどないか、あるいはゆっくりと進みます。
そのなかでも、皮膚や内臓が硬くなるスピードは患者さんによってまちまちですが、皮膚症状にのみ止まる患者さんも多くいます。
全身性硬化症の人は、我が国に少なくとも6000人はいるものと推定されています。
他の膠原病と同様に女性に圧倒的に多く、30~50代にピークが認められます。
同じ「強皮症」と呼ばれる病気の中に、「限局性強皮症」という病気がありますが、全く別の病気です。
全身性硬化症の初期の段階に、レイノー現象と呼ばれる症状が出ます。
レイノー現象とは、冷たい物を触った時に、急激に血管が収縮して手が真っ白(もしくは紫色)になる現象で、温めると元に戻ります。
全身性硬化症のうち、比較的症状の軽い人では、レイノー現象だけが10年以上続く場合もあります。レイノー現象は、ほかの膠原病でもみられ、また、進行性の全身性硬化症の場合、遅れて現れることもあります。
全身性硬化症はいわゆる遺伝病ではなく、遺伝はしませんが、かかりやすい遺伝子の型のセットを持っている人に発症することがわかっています。
遺伝子の型のセットを持っていても、生まれてからの環境などが関与して発病します。

全身性硬化症の原因

全身性硬化症の発病のメカニズムは複雑であり、はっきりとはわかっていません。
自己抗体がつくられてしまうこと、線維化(皮膚や内臓が硬くなること)が起こること、血管障害が起こることの3つの異常が影響しあって発病すると考えられています。

全身性硬化症の症状

レイノー症状のほか、代表的なものは皮膚の硬化です。
まずは手の指先がはれぼったくなり、人によっては手のこわばりを伴います。
いままで入っていた指輪が入らなくなって、この病気に気づく人もいます。
「びまん型全身性硬化症」では、手の甲から腕、体幹と体の中心に向かって皮膚硬化が進みます。
そのほか、爪の甘皮に黒い出血の点がでたり、指先に傷跡や潰瘍ができたり、皮膚の色が変わったりします。
肺が硬くなる肺線維症では、咳や息苦しさを感じ、酸素吸入が必要になる場合もあります。
肺の症状は「びまん型全身性硬化症」で比較的良くみられる合併症です。
このような肺炎を、最近などによる肺炎と区別して間質性肺炎と呼びます。
腎臓の血管に障害がおこる強皮症腎クリーゼでは、高血圧や頭痛、吐き気が起こります。
食道が硬くなると逆流性食道炎をきたします。
症状は胸のつかえ、逆流感などです。
腸が硬くなると便秘や下痢を起こすこともあります。

全身性硬化症の検査

全身性硬化症の最も重要な症状は皮膚の硬化ですから、病気が進行して皮膚がはっきりと硬くなった場合は、診断は比較的簡単です。
ただし、病気の初期の段階や、症状がはっきり出ていない人の場合は、皮膚の一部を切り取って顕微鏡で見る皮膚生検が非常に重要になります。
皮膚を切りとる場合はもちろん麻酔をかけますので、痛みはほとんどありません。
それに加えて、血液検査も重要な指針となります。
全身性硬化症の患者さんの90%では、抗核抗体という自己抗体が陽性となります。
抗核抗体は、健康な人で陽性になることはまずありませんので、全身性硬化症と診断するためには有効です。
内臓が変化していないかを診る検査では、食道の様子を診るバリウム検査や内視鏡、肺の線維化を診断する胸部X線やCTのほか、心臓や肝臓のエコーや呼吸機能検査も行われます。

全身性硬化症の治療

全身性硬化症の症状に合わせてお薬を飲み、症状を和らげていきます。
特に発症後5~6年以内の「びまん型全身性硬化症」では治療の効果が期待できます。
これは、発病後5~6年以内に皮膚と内臓の硬化が現れてくるのですが、そのうち、皮膚の硬化は自然に柔らかくなって治っていく一方で、一度硬くなった内臓は元に戻らないためです。
したがって、発病後5~6年以内に、できるだけ治療を早く開始して、内臓病変の合併や進行を防ぐことが大切になります。
皮膚の硬化に対しては、ステロイド剤の内服は効果的であり、肺の線維化には免疫抑制剤が使われます。
間質性肺炎が急激に進む場合には、高用量のステロイド療法が行われます。
食道や腎臓の病変にも、それぞれ効果的なお薬があります。
「限局型全身性強皮症」では、皮膚の硬化の範囲が狭く、重い内臓病変もないため、炎症を抑える対症療法が中心に行われます。

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