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免疫力アップと運動との関係とは?

公開日: : 免疫


「運動は体に良い」というのはよく聞く話です。
でも一概に「運動は体に良い」とはいっても、色々と目的がある事と思います。
ダイエット、持久力、筋力アップetc.ココでは、健康維持には欠かせない免疫力アップにしぼって運動の種類や強度などについて考えてみたいと思います。

免疫力アップに最適の運動とは?

免疫力が低下すると風邪をひきやすくなるなど、さまざまなウイルスに弱くなってしまいます。
自然に体の免疫力を高めるためには適度な運動を生活に取り入れるのが効果的だと言われています。
運動をすると免疫力が高まるのはなぜか、またどんな運動をすれば免疫力が高まるのでしょうか。

運動によって免疫力が高まる?

免疫力を高める方法として、日常的に運動を取り入れるのが効果的です。
運動を続けるとナチュラルキラー細胞という免疫細胞が活性化し、その働きによって体の免疫力が高まります。
たまに運動をするのではなく、できれば日常的に運動を取り入れ、常に体の中が活性化している状態にするのが理想的です。

ナチュラルキラー細胞を活性化させる

ナチュラルキラー細胞とはどんな細胞なのでしょうか?
体の中にウイルスなど悪影響をもたらすものが侵入すると、体が危険なものを排除するために防御の姿勢をとります。
このとき活躍するのがナチュラルキラー細胞です。
ナチュラルキラー細胞は風邪などのウイルスに感染した細胞を撃退するような働きをします。
このため、ナチュラルキラー細胞を活性化させることが、体の免疫力を高める大きな鍵となるのです。

ナチュラルキラー細胞のためには「ほどよい運動」を

ナチュラルキラー細胞を活性化させるために必要なのが運動です。
現代人は栄養は過多なことが多くても、運動は足りていない状況です。
どんなに良い食事をとっても、実際は風邪をひきやすいという人が多いのはこのためです。
運動であればどんなものでも良いわけではなく、スポーツ選手が日々行っているトレーニングのような激しい運動は適していません。
軽めのウォーキングやジョギングなどの「ほどよい疲れを感じる」程度の運動が一番効率が良いと言われています。
具体的に言うと、ジョギングであれば20分から30分程度、ウォーキングであれば距離にして1kmから3km程度です。
できる限り日々の生活の中で運動をするのが良いので、無理なく続けられる範囲という意味でもこの程度の軽めの運動が適しています。

免疫力と過度な運動

免疫力を高めるためには運動を取り入れるのが有効と言いますが、運動をし過ぎるとかえって逆効果になり、免疫力が低下しやすくなります。
運動をすればするほど良いというものでもないようです。
過度な運動をしてしまうとなぜ、免疫力が低下してしまうのでしょうか。

過度な運動は体の負担となってしまう

免疫力を高めるために運動をしようとしたとき、あなたの頭の中で「効果的な運動」は何が思い浮かぶでしょうか。
日々のトレーニングで鍛えられ、筋肉もついていかにも健康そうなスポーツ選手のようなトレーニングを思い浮かべた人は注意が必要です。
実は、スポーツ選手の体は意外と免疫力が低下していることがあります。
激しい運動では筋肉の痛みや炎症を引き起こしやすく、そのような状態が長く続くと免疫力は低下していきます。

痛みや炎症が続く状態は病気にかかりやすい状態

炎症が起こるということは体がケガと戦っている状態なので、それ自体は悪いことではありませんが、常に続くということでは免疫細胞も疲労します。
私達に休息が必要なように、免疫細胞にも休息と力を蓄える時間が必要なのです。
働き過ぎた免疫細胞では、いざというときに充分な対応ができず、結果として病気にかかりやすくなる傾向があります。

適度な運動の範囲を知り、それを心がける

理想的なのは「体に大きな負担がかからず、続けることができる範囲の運動」です。
このような運動であればスポーツ選手のようなプロでなくても日常の中に取り入れやすいですし、年齢を重ねていて運動が不安な人にも取り組みやすいメリットがあります。
始めやすいものとしては、ウォーキングやジョギングがあります。
ウォーキングは構えて考えなくても、日々の散歩の延長として楽しみながらできます。
ブームにもなったヨガや、気功・太極拳などのゆっくりした動きが特徴のものも良いでしょう。
大切なのは無理なく続けられるという部分なので、自分のできる範囲を考えて取り組むと良いでしょう。

免疫力と有酸素運動

免疫力を高めるための運動として最も効果的なのが「有酸素運動」です。
有酸素運動はダイエットにも効果的なことで有名で、一度は耳にしたことがある人が多いはずです。
有酸素運動はなぜ免疫力向上に効果的なのか、また有酸素運動にはどのようなものがあるかを見ていきましょう。

有酸素運動は体の隅々が活性化する

有酸素運動の効果的な面は、深い呼吸をしながら行うものが多い点です。
呼吸をすることでキレイな酸素が体の中に入り、さらに運動が加わることで血流やリンパの流れが良くなり、キレイな酸素が体の中のすみずみに運ばれます。

免疫力向上の鍵を握るナチュラルキラー細胞の活性化に効果的

適度な有酸素運動を行うことは、免疫力アップの鍵を握るナチュラルキラー細胞の活性化に効果的です。
ナチュラルキラー細胞は血液の中にいて、ウイルスなど体に悪い影響を与えるものの発見と撃退のために働いてくれる細胞です。
激しい運動をするとケガや炎症を起こす可能性が高くなり、ナチュラルキラー細胞がウイルスの監視よりもケガを治すために動くようになります。
このような状態になるのを防ぐために、適度な運動をして細胞を活性化しつつ、悪いものに対しての監視が行き届く体内環境にすることがポイントです。
ナチュラルキラー細胞が効果的に活躍する準備が整うのは適度な有酸素運動というわけです。

日々に取り入れられる有酸素運動

一般の人が取り組みやすい有酸素運動には、ジョギング、ウォーキング、サイクリング、水泳、ヨガなどがあります。
どれもやり過ぎるのではなく、運動を終えたあとに心地よい疲れと爽やかさが感じられる程度にとどめてください。
有酸素運動を行うのに最も効果的とされる時間帯は早朝ですが、時間帯は無理をせず自分のできる範囲で決めてください。
毎日行うとやり過ぎになったり、続けることが難しいと感じたりする場合が多いので、2日から3日に一度程度が望ましいでしょう。
適度な有酸素運動は免疫力アップのほか、ダイエットやストレス解消、不眠解消にも効果があります。

免疫力と無酸素運動

運動の種類の中には有酸素運動のほかに、無酸素運動というものがあります。
免疫力を高めるために必要なのは有酸素運動で、無酸素運動では逆に体に大きな負担をかける結果となってしまいます。
無酸素運動はなぜ、免疫力のアップには効果が薄いと言われるのでしょうか。

無酸素運動は筋肉への負担が大きい

短距離走やダンベルなどを使った筋力トレーニングなど、瞬間的に強い力を必要とする運動のことを無酸素運動といいます。
主に筋力を鍛えたい場合に行われる運動の種類です。
メリハリのある体のラインを作りたいときや、体の一部分だけを鍛えたいときに行われます。
無酸素運動は筋肉への負担が大きく、そのぶん疲労感やケガ、炎症も多くなります。

無酸素運動では免疫力は高まらない

無酸素運動は細胞を活性化して免疫力を高めたい場合にはあまり適していません。
免疫力を高めるためには、良い血流と新鮮な酸素が体中に運ばれ、ウイルスを撃退する細胞が活性化している状態を作ることがポイントとなってきます。
無酸素運動が原因で起こる疲労感やケガを治すために細胞が働き続けると、そのぶん風邪ウイルスなどの侵入に備えて待機することが難しくなります。
免疫力を高めたいのであれば無酸素運動は控えたほうが良いでしょう。

無酸素運動は有酸素運動と組み合わせることで効果が出る

無酸素運動だけを長時間続けると、体の免疫力を高める効果は薄くなってしまいます。
しかし、無酸素運動と有酸素運動をうまく組み合わせることで免疫力を高めつつ、ダイエット効果などが期待できるようにもなります。
筋力トレーニングを行って体が暖まったあとに有酸素運動をするのが効果的です。
筋力を鍛えると脂肪が燃えるほか、代謝が良くなり朝の目覚めがスッキリしたり、便秘が解消されたりといった嬉しい面もあります。
大切なことは自分に無理なく、体に負担のない範囲を知ることです。
3日で終わらないよう、継続して続けられ習慣にできる程度にとどめるのが良いでしょう。

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